革命的共産主義者同盟全国委員会

革命的共産主義者同盟全国委員会（中核派）詳解

革命的共産主義者同盟全国委員会（革共同全国委員会）、通称中核派は、1959年の革命的共産主義者同盟（革共同）の第二次分裂を機に結成された日本の新左翼組織です。当初は本多派、前進派などと呼ばれ、2007年の関西派（革共同再建協議会）との分裂以降は、中央派、党中央、安田派といった呼称も用いられています。

思想と目的

中核派は「反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命」を掲げ、資本主義国家の転覆と、ソ連や中国などの既存社会主義国の打倒を目指しました。既存の社会主義国を世界革命を放棄したスターリン主義と位置づけ、批判の対象としています。朝鮮労働党や日本共産党も同様にスターリン主義とみなしています。

経済的には共産主義を標榜する一方、ジェンダー平等やリベラリズムには批判的な面も持ち合わせており、保守左派的な側面も見られます。これは、性の多様性条例やLGBT理解増進法への反対姿勢などに表れています。

中核派の最終目標は「資本主義・帝国主義の完全打倒＝プロレタリア世界革命の完遂と階級社会の廃止、真の人間的な共同社会＝共産主義社会の建設」です。そのためには、暴力革命によるプロレタリア革命と、プロレタリア独裁による国家樹立が必要だと主張し、天皇制の粉砕やアメリカ帝国主義の打倒などを訴えています。

歴史

中核派は、1957年結成の革共同から、幾度かの分裂を経て誕生しました。1958年の第一次分裂（太田派離脱）、1959年の第二次分裂（黒田派・本多派離脱による革共同全国委員会結成）、そして1963年の第三次分裂（黒田派＝革マル派離脱）を経て、残った本多派が中核派として独自の活動を展開を始めます。

1960年代には、安保闘争や大学闘争で新左翼最大の勢力となり、街頭武装闘争を展開しました。1966年の三回大会では「帝国主義の根底的動揺の開始」を宣言し、1970年代には革マル派との激しい党派闘争（内ゲバ）を繰り広げました。この内ゲバは、多くの犠牲者を生む凄惨なものでした。

1975年には最高指導者である本多延嘉が革マル派によって暗殺され、中核派は大きな打撃を受けます。冷戦終結後の1991年には「5月テーゼ」を発表し、武装闘争路線から労働運動路線への転換を図りました。しかし、2007年には関西派などの分裂・離脱が起こり、現在も様々な課題を抱えながら活動を続けています。

組織

中核派の組織は、公然と活動する部分と、非公然の組織から構成されます。

公然組織としては、前進社（拠点）、機関紙『前進』（週1回刊）、機関誌『共産主義者』（季刊）、学生組織マルクス主義学生同盟・中核派（マル学同中核派）、青年労働者組織マルクス主義青年労働者同盟（マル青労同）、政治団体都政を革新する会などがあります。

一方、非公然組織としては革命軍（人民革命軍、革命軍・武装遊撃隊）が存在し、過去には多数のテロやゲリラ闘争に関わっていました。

中核派の象徴として、白ヘルメット（前面に黒字で「中核」と表記）が挙げられます。

活動

中核派は、長年にわたり、学生運動、労働運動、そしてゲリラ闘争など、多様な活動を行ってきました。

近年は、労働運動に重点を置き、動労千葉などの労働組合と共闘関係を築きながら活動しています。また、反原発運動や歴史教科書問題などにも積極的に関与しています。選挙活動にも力を入れており、地方議会に議員を送り込んでいる地域もあります。

分裂と現在の状況

中核派は、歴史上幾度も分裂を経験しており、内部抗争や路線対立も繰り返してきました。2007年の関西派離脱はその大きな例であり、現在も様々な派閥や意見対立が存在すると考えられます。

中核派の現在の勢力や具体的な活動内容は、公開情報からは完全に把握することが困難です。公安調査庁などの発表を参考にしながら、その活動内容を推測するしかありません。

まとめ

中核派は、激動の半世紀以上を過ごしてきた日本の新左翼組織です。その歴史と思想、活動は複雑で多様であり、現在も社会に影響を与え続けています。ただし、その活動には暴力や違法行為も含まれており、批判的な視点を持つことも重要です。中核派の活動内容や影響について理解を深めるためには、様々な情報源を参照し、多角的な視点を持つことが必要となります。

もう一度検索