村島定行

村島 定行（むらしま さだゆき）は、1942年5月生まれの日本の計算機科学者です。

科学分野における貢献

計算機科学者として、電磁場や熱伝導などの解析に用いられる代用電荷法を完成させたことで知られます。この手法の誤差論や、リーマン面上のグリーン関数の重ね合わせ法、弾性論への応用など、理論的・応用的な研究を行いました。また、離散ボロノイ図の研究にも取り組んでいます。

日本語に関する見解

日本語についても深い関心を寄せており、表意文字である漢字と表音文字である仮名を組み合わせる日本語は、世界の言語の中でも特に機能豊かであると評価しています。その一方で、近年におけるカタカナ語の多用が、日本語本来の文化的な特徴を損なう可能性があると懸念を示しています。

経済思想と提言

経済問題についても独自の分析と提言を行っています。特に、バブル崩壊後の日本が長期化したデフレ不況から脱却するためには、国債を日本銀行が直接引き受ける形での大規模な財政支出が不可欠であると主張してきました。

アベノミクスにおいて、日本銀行が毎年約80兆円の国債を購入している状況を分析しつつも、それがデフレ脱却に十分な効果を発揮していないと指摘。この80兆円を有効に活用するには、特定の事業に投じるのではなく、国民一人ひとりに月額5万円程度の基礎給付として平等に配布すべきだと提唱しています。この施策の実施により、国民の消費が刺激され、景気が回復し、デフレから脱却できるだけでなく、経済成長路線への復帰が可能になると予測しています。さらに、為替レートについても、この経済状況の変化に伴い、1ドル＝80円前後の円高が進むとの見通しを示しています。

社会活動と歴史観

村島氏は、保守的な立場からの社会活動にも積極的に関わっています。新しい歴史教科書をつくる会の会員であり、かつて同会の鹿児島県支部で支部長を務めていました。支部長在任中の1999年12月には、鹿児島県立高校の修学旅行先から、南京大虐殺紀念館などの見学地を除外することを求める陳情を鹿児島県議会に提出しました。この陳情は、2002年7月に県議会で賛成多数により採択されています。また、日本会議鹿児島で会長も務めています。

歴史観に関する懸賞論文でも受賞歴があり、令和元年（2019年）には、公益財団法人アパ日本再興財団が主催する第12回「真の近現代史観」懸賞論文部門において、最優秀賞にあたる藤誠志賞を受賞しました。受賞論文の題名は「平成日本は精神的に独立していなかったために没落した」です。

経歴

1965年：九州工業大学を卒業。
1992年：鹿児島大学工学部の情報工学科教授に就任。

主な受賞

2023年：瑞宝中綬章を受章。
2019年：公益財団法人アパ日本再興財団主催 第12回「真の近現代史観」懸賞論文部門 最優秀 藤 誠志賞を受賞。

著書

『日本の未来を拓く学問のすすめ』（牧歌舎、2007年）
『代用電荷法とその応用』（森北出版 POD版、2008年）
『歳出削減と増税は国を滅ぼす』（風詠社、2008年）
『漢字かな混じり文の精神』（風詠社、2009年）
『平成国富論』（風詠社、2012年）
『平成日本はなぜ没落したか』（POD版、2019年）
* 『反日財務省を狙撃せよ』（POD版、2023年）

計算機科学の専門知識に加え、経済、歴史、日本語といった多岐にわたる分野で独自の思想を展開し、活発な言論活動や社会活動を行っています。詳細な情報は、村島氏のブログなどで確認できます。

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