村松修

村松修：伝説のプラネタリアン、星空への情熱

村松修氏（1949年生まれ）は、日本のプラネタリウム解説者として知られています。また、串田・村松彗星をはじめとする多くの小惑星を共同発見したアマチュア天文家でもあります。2017年頃から「伝説のプラネタリアン」と呼ばれるようになり、その功績は日本天文学会天体発見賞（1993年度）、日本天文学会天文教育普及賞（2024年度）として認められています。

生い立ちとプラネタリウムとの出会い

東京都出身の村松氏は、高校時代に池谷・関彗星の出現を目の当たりにし、天文学への関心を深めます。東京都立工業短期大学（現・東京都立大学）機械科を卒業後、民間企業を経て、1974年4月に天文博物館五島プラネタリウムに技術係として入職しました。そこで、学芸課長であった豊川秀治氏のもとで、プラネタリウム投影機の保守点検に携わることになります。

プラネタリウム解説者としての才能開花

技術係として投影に立ち会ううちに、村松氏は自然と星空解説の技術を習得していきます。1975年頃からは、投影機の稼働状況確認を兼ねて解説を担当するようになりました。彼の解説は、まるで星空を実況中継しているかのような、朗らかで軽妙な語り口が特徴で、多くの人々を魅了しました。

五島プラネタリウムが2001年3月に閉館した後、村松氏は渋谷区五島プラネタリウム天文資料（通称「しぶてん」）に移籍し、五島プラネタリウムから渋谷区に寄贈された資料の管理を担当しながら、天文普及活動を続けました。

2003年6月には、東急文化会館の解体に伴い、旧五島プラネタリウムのドームで行われたメガスターIIを用いた特別投影の解説を担当。多くのファンが彼の解説に別れを惜しみました。その後、旧五島プラネタリウム投影機を渋谷区の新施設に展示保存するプロジェクトにも参画し、投影機は渋谷区文化総合センター大和田に静態展示されることになりました。

2010年11月21日、コスモプラネタリウム渋谷の開館に伴い、村松氏は同館の主任解説員に就任。往年の名調子が渋谷のドームに蘇り、再び多くの人々を星空の世界へと誘いました。2017年からはフリーのプラネタリウム解説コンサルタントとして活動しながら、コスモプラネタリウム渋谷での解説も継続しています。

2018年12月には、有楽町に新しく開館したプラネタリウム「コニカミノルタプラネタリア TOKYO」で、演劇形式の『LIVE ACT PLANETARIA 1st. ACT“星にねがう夢”』の星空解説を監修するなど、新たな分野にも挑戦しています。

天文家としての探求

村松氏は、プラネタリウムの仕事を通じて天文学への関心を深め、天体観測にも熱心に取り組みました。1977年からは、アマチュア天文家向けの天文軌道計算を学ぶ『ガウスの会』に参加し、古川麒一郎氏から計算方法を学びました。その後、DEMOS-Eを利用できるようになり、FORTRANを習得して天体の位置推算プログラムを自作するなど、その探求心は留まることを知りません。

[1986年]]頃からは、井上傑氏や浦田武氏とともに小淵沢町で小惑星の捜索を開始し、小淵沢(3432)、八ケ岳(4033)、渋谷]など、数々の[[小惑星を共同発見しました。1988年頃からは八ヶ岳南麓天文台に拠点を移し、串田嘉男氏と共同で多くの小惑星を発見。清里高原では大友哲氏とも多くの成果を上げています。

[1993年]]には、串田嘉男氏との共同で串田・村松彗星を発見し、日本天文学会天体発見賞を受賞しました。また、1992年末にはN体数値積分計算プログラムを完成させ、1993年にはシューメーカー・レヴィ第9彗星]が[[木星に衝突することを世界で最も早く予報した中野主一氏に、計算結果を提供しました。

村松氏が共同発見した小惑星には、天文博物館五島プラネタリウムの関係者の名前が多く命名されています。これは、2001年3月の閉館に際し、「宇宙の中ではみんないつまでも一緒にいたい」という思いから、閉館の数年前まで在籍した解説員のうち、小惑星に名前がなかった全員の名を命名提案したことによるものです。

村松修氏は、プラネタリウム解説者として、またアマチュア天文家として、天文学の普及と発展に大きく貢献した人物です。その情熱と才能は、これからも多くの人々に感動と驚きを与え続けることでしょう。

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