村松英子

村松 英子（むらまつ えいこ）

村松英子は、日本の著名な女優および詩人であり、1938年3月31日に東京都で生まれました。本名は南日英子です。彼女は文化人一家に育ち、父は精神医学者の村松常雄、母方の祖父は田部隆次であり、文芸評論家の村松剛が兄にあたります。特に、彼女の演劇活動は、三島由紀夫との親交を通じて大きな影響を受けました。英子の娘、村松えりも女優として活躍しています。

来歴・人物

村松英子は東京市淀橋区西大久保（現・新宿区）で生まれ、学者家系という環境の中で成長しました。幼少期から詩に親しみ、特に兄の影響を受けて詩を書き始めます。日本女子大学附属豊明小学校から始まり、中高等教育を経て、最終的には日本女子大学英文学科を卒業し、慶應義塾大学大学院でエリオットの研究を行いました。

彼女は大学在学中に文学座に入団し、その後、1956年に初舞台『女の一生』で華々しく登場します。1961年に再従兄弟の南日恒夫と結婚し、同年には三島由紀夫と初対面します。この出会いが彼女の演劇界での活動に大きな影響を与えることになります。

1963年には、三島や仲間たちと共に文学座を脱退し、様々な劇団に参加します。特に、劇団NLTに所属し、三島の作品に多数出演しました。1966年、彼女は第一回紀伊國屋演劇賞の個人賞を受賞し、同年、三島由紀夫からの指導を受ける中で、彼女の演技力も高まりました。

家庭と教職

英子は高齢で2人の子供を育てる中で、しばらく演劇活動を休止しましたが、1995年に再び舞台に立つようになります。その後は演劇ユニット「サロン劇場」を設立し、自ら演出を手掛けるなど、精力的に活動しています。娘の村松えりも「サロン劇場」に出演し、親子共演を果たしています。

また、英子は長年、大学での教職も務めており、鳥取女子短期大学や慶應義塾大学で客員講師として教鞭をとり、1993年には同大学で教授職に昇格しました。

主な業績と著作

村松英子の舞台での出演作品は数え切れないほどで、『班女』や『鹿鳴館』、『薔薇と海賊』といったミュージカルにも関わっています。彼女の映画出演作品には『怪談』や『砂の器』などがあります。さらにテレビドラマにも多く出演し、『第一部 江戸の牙』や『白い巨塔』などでも知られています。

詩作も続けており、詩集やエッセイを複数出版しています。1983年以降、彼女は著書を通じて育児や人生についての幅広い見識を示しました。特に子育てに関する著作は、多くの母親たちに共感を呼び起こしています。

最後に、彼女は国民の会の代表発起人や、日本会議代表委員としても活動しており、文化と教育に対する深い愛情をもって日本の演劇界に貢献し続けています。

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