淀橋区

淀橋区の歴史と交通

概要

淀橋区（よどばしく）は、東京府東京市に定位されていた区であり、1932年から1947年の間、東京都の一部として存在しました。現在では新宿区とされる地域に位置していますが、地名自体は現在は存在しません。

歴史

1932年10月1日、淀橋町、大久保町、戸塚町、落合町が東京市に編入され、淀橋区が新たに設立されました。区役所は柏木五丁目に位置し、今もなおその地には東京都中央卸売市場の一部が存在します。1943年には東京都制が施行され、淀橋区は東京都淀橋区となります。しかし、1944年には区役所が西大久保一丁目に移転しました。

この時期、戦局が次第に厳しくなり、淀橋区内の衛生環境は悪化の一途を辿ります。特に屎尿の汲み取りや輸送の遅れは大きな問題となり、武蔵野鉄道の長江駅が糞尿輸送のための積み出し駅に指定されるという非常事態が起こりました。

1947年3月15日、淀橋区は四谷区と牛込区と合併し、新宿区が発足したことにより淀橋区は正式に廃止されました。

交通

淀橋区内にはさまざまな交通網が整備されていました。以下に主要な鉄道路線および道路を詳述します。

鉄道路線

• - 国鉄（現JR東日本）

- 山手線: 新宿駅 - 新大久保駅 - 高田馬場駅
- 中央本線: 大久保駅

• - 小田急電鉄

- 小田原線: 新宿駅

• - 京王電鉄

- 京王線: 新宿駅（当時、淀橋区域内に数駅が設置されていましたが、その後すべて廃止されました）

• - 西武鉄道

- 村山線（後の西武新宿線）: 高田馬場駅 - 下落合駅 - 中井駅

• - 東京都電車 (廃線)

- 角筈線、新宿線、高円寺線、早稲田線、江戸川線、戸塚線などが運行されていました。
東京メトロの丸ノ内線、東西線、都営地下鉄新宿線、大江戸線などは当時存在していませんでした。

道路

• - 明治通り
• - 甲州街道
• - 青梅街道
• - 大久保通り
• - 早稲田通り
• - 小滝橋通り
• - 山手通り

著名な出身者

淀橋区出身の著名人には以下のような人物がいます。

• - 鹿野忠雄: 博物学者、昆虫学者、探検家
• - 小平邦彦: 数学者
• - 篠山紀信: 写真家
• - 江藤淳: 文学評論家
• - 丹波哲郎: 俳優、心霊研究家
• - など、多数の著名人がその地にルーツを持っています。

結論

一時期だけ存在した淀橋区は、東京都の歴史において特異な存在でした。その名残は新宿区として脈々と受け継がれていますが、淀橋という地名は現在では消えてしまいました。しかし、その歴史や文化的な影響は今なお地域に残り続けています。

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