村西とおるの波乱万丈な人生
村西とおる(本名:草野博美)は、
1948年福島県いわき市に生まれました。
AV監督、
実業家としての顔を持つ彼は、その破天荒な人生で多くの人々の注目を集めました。
高校卒業後、上京した村西は
池袋のバーで働き始めますが、その後、英語の
百科事典販売会社「グロリア」でセールスマンとして驚異的な才能を発揮します。月間20~100セットという圧倒的な販売数を記録し、伝説的なセールスマンとして名を馳せました。その資金を元手に、札幌で
英会話教室を開業、さらにはゲーム機を設置した
喫茶店チェーンを
北海道で展開し、成功を収めます。
ポルノ業界への参入
1980年代に入ると、村西は「
ビニ本」と呼ばれる
ポルノ雑誌の小売店チェーン「北大神田書店」を立ち上げ、
北海道全域に48店舗を展開。その後、全国へと事業を拡大します。さらに、モザイクなしの
ポルノ雑誌制作にも手を染め、巨額の利益を得ます。しかし、その違法行為が発覚し、1984年に逮捕、全財産を失うことになります。
逮捕後、1984年秋に保釈された村西は、
アダルトビデオ業界に転身します。自らカメラを回し、男優としても出演するスタイルは当時としては革新的でした。彼は「疑似本番」が主流だった業界で、実際に性交する場面を正面から撮影するという手法をとり、物議を醸しましたが、それが大きな注目を集めました。1985年には立川ひとみ主演の「恥辱の女」が専門誌で年間1位を獲得し、その評価を確固たるものにします。
黒木香のデビューと逮捕
1986年には、黒木香をデビューさせ、彼女の知的な語り口と奔放なスタイルは社会現象を巻き起こしました。しかし、同年、村西は
職業安定法・
児童福祉法違反容疑で逮捕されます。また、ハワイでのロケ中にFBIに旅券法違反容疑で逮捕され、懲役370年を求刑されるなど、逮捕歴も多く、波乱万丈な人生を送っています。
1988年、村西は「
ダイヤモンド映像」を設立し、専属女優を抱え、数多くの作品を制作しました。その中でも松坂季実子の作品は特に人気を博し、年商は100億円を超えるまでになりました。しかし、ビデオ映画事業の失敗や不動産投資、
通信衛星放送事業への過大投資が原因で、1992年に約50億円の負債を抱えて
倒産します。
その後の活動とドラマ化
倒産後も、村西は
アダルトビデオ制作を続けますが、2007年からは過去の作品の販売を中心に活動。その後、自身の人生が書籍化、ドラマ化され、大ヒットを記録。
Netflixで配信されたドラマ「
全裸監督」では、
山田孝之が村西役を演じ、大きな話題となりました。また、ドキュメンタリー映画「M/村西とおる狂熱の日々」も公開され、再び注目を集めました。
人物像と語録
村西は
保守的な政治信条を持ち、自身の考えを積極的に発信しています。また、
東日本大震災以降、
福島県へのネガティブな印象を批判するなど、故郷への愛着も強いです。
ジャニーズ事務所の経営方針や
ジャニー喜多川問題にも批判的な姿勢を示しています。
彼の語録には、「閨閥も学歴もコネもなにもないおれがあきらめるということは死ぬことなんだよ。だからあきらめることは選択肢にない」や「なぜ興奮するのかっていうと、死ぬから。なぜ性欲があるかっていったら、死ぬから。」など、独特の人生観が表れています。
代表的な作品
村西は数多くの作品を監督・出演しており、主なものとして「SMぽいの好き」(黒木香)、「新聞記者・季実子」(松坂季実子)、「黒くてぶっといのが大好き」(卑弥呼)、「涙が流れるほど良かったから一生忘れない」(乃木真梨子)などがあります。また、「犯されまくったセーラー服」シリーズや「村西とおるのどかーんとイッていただきました」シリーズなど、独特のタイトルを持つ作品も数多く存在します。
著作活動
数多くの書籍も執筆しており、自伝的な内容の「ナイスですね 村西とおるの挑戦状」や、性に関するエッセイ「エッチは真面目にいたしましょう」、人生哲学を語った「村西とおるの閻魔帳」などがあります。
メディア出演
テレビドラマ「
東京フリーマーケット」、バラエティ番組「
BAZOOKA!!!」「
ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!」などに出演。また、映画「YOYOCHU SEXと代々木忠の世界」、「M/村西とおる狂熱の日々」にも出演しています。監督作品としては、「大巨乳 のしかかる」などがあります。
まとめ
村西とおるは、波乱万丈な人生を送りながらも、常に挑戦を続けた人物です。その独特のスタイルと破天荒な行動は、多くの人々に影響を与え、彼の人生はドラマや映画として語り継がれています。彼の人生は、成功と挫折を繰り返しながらも、常に前向きに進み続けた、まさに「ナイスですね」な人生だったと言えるでしょう。