束松峠

束松峠（たばねまつとうげ）

束松峠は福島県の河沼郡会津坂下町と耶麻郡西会津町の境に位置し、福島県道341号別舟渡線が通っています。この峠は阿賀野川水系に属し、両側に自然豊かな風景が広がっています。

概要

峠は、会津坂下町の片門集落と西会津町の軽沢集落を結ぶ重要な役割を果たしてきました。しかし、現在ではこの峠の直下を通る磐越自動車道が完備されており、他の舗装された道は存在しないため、古い道の意義が薄れてきています。歴史的な意味を持つ越後街道や、明治時代に建設された束松洞門も存在していますが、束松洞門は現在崩落が進んでいます。

束松について

「天屋の束松」とも呼ばれるこの地域には、旧越後街道沿いに特徴的な形状を持つアカマツが自生しています。このアカマツは福島県の天然記念物として指定されており、その姿を楽しむことができますが、松枯れの影響で枯れてしまったものも見られます。

越後街道

束松峠は歴史的に重要な道であり、1611年の会津地震後には会津若松と新発田を結ぶ越後街道の一部として使用されてきました。峠近くには当時の一里塚である「束松の一里塚」が今も残っており、過去の旅人の足跡を感じることができます。しかし明治時代に三島通庸によって改修された会津三方道路は、この峠を通らず、南に位置する藤峠を経由することになりました。地域住民は再興のために束松洞門を掘るなどの努力をしましたが、国道49号や磐越自動車道は藤峠を通るため、通行量は限られています。また、JR磐越西線も阿賀川沿いを経由しているため、同峠付近を直接通過することはありません。

その他の情報

1869年、この束松峠付近で「束松事件」という歴史的な出来事が発生しました。この事件もまた、峠の歴史に色を添える一部分です。峠が持つ歴史的価値は、訪れる人々に独自の魅力を提供し、自然との調和を感じられる場所として存在し続けています。

そのため、束松峠は地域の歴史と自然を愛でるためのスポットとして、訪れる価値のある場所です。福島を訪れた際には、その静かな美しさや歴史的背景をぜひ体感してみてください。

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