一里塚

一里塚とは

一里塚は、江戸時代の主要な街道沿いに、一里（約3.927キロメートル）ごとに設置された土を盛り上げた塚のことです。旅人にとっての道標であると同時に、木陰で休憩できる場所としても利用されていました。

特徴

一里塚には、道標としての役割を果たすために、塚の上にエノキやマツなどの木が植えられていました。これは、現代の道路におけるマイルストーンやキロポストと同様のものです。また、一里塚は日本だけでなく中国にも存在します。

塚の大きさは、およそ9メートル四方、高さ約1.7メートルで、土を盛り上げて作られました。塚の上に植えられた木は、旅人に日陰を提供するだけでなく、根によって塚の崩壊を防ぐ役割も担っていました。本来、一里塚は街道の両側に一対で設置されるものですが、現存するものの多くは片側のみに存在しています。

街道を挟んで対で残っている一里塚は、国の史跡に指定されているものもあります。また、都道府県や市町村の史跡に指定されているものや、地域住民によって大切に守られているものも少なくありません。

一里塚に植えられた木

五街道における一里塚に植えられた樹種は、エノキが最も多く、次いでマツ、スギ、サクラ、クリ、ムクノキ、ヒノキ、カシの順でした。まれに、クワ、ヒイラギ、ウルシなどが植えられていることもありました。日光街道ではスギが最も多く植えられていたようです。

歴史

日本における一里塚の起源は、平安時代末期に奥州藤原氏が陸奥湾までの道に里程標を立てたことにあると言われています。室町時代には、一休宗純（または彼に近い遊女・地獄太夫）が「門松は冥土の旅の一里塚 目出度くもあり目出度くもなし」という歌を詠んでいます。

一里塚が全国的に整備されるようになったのは江戸時代です。1604年、徳川家康が徳川秀忠に命じ、大久保長安が総監督となって設置を開始しました。江戸幕府は、江戸の日本橋を起点として、全国の各街道に一里ごとに一里塚を設置するよう指令を出し、約10年でその整備を完了させました。

五街道の一里塚

五街道には、以下のような一里塚が存在しました。

東海道
中山道
甲州街道
日光街道
奥州街道

ギャラリー

[画像1]

[画像2]

[画像3]

[画像4]

[画像5]

[画像6]

[画像7]

[画像8]

脚注

注釈

出典

参考文献

ロム・インターナショナル（編）『道路地図 びっくり!博学知識』河出書房新社〈KAWADE夢文庫〉、2005年。

関連項目

距離標
三里塚

外部リンク

世界大百科事典 第2版『一里塚』 - コトバンク
河川用語集 - 川の一里塚 - 国土交通省 関東地方整備局 江戸川河川事務所

もう一度検索