杭迫柏樹

杭迫柏樹の書道の世界

杭迫柏樹（くいせこ はくじゅ）は、1934年6月28日生まれの著名な日本の書道家であり、京都に在住しています。彼の本名は杭迫晴司（くいせこ せいじ）です。柏樹は、中国の書法の巨匠・王羲之の技法を基盤にし、さらに宋代の作品や空海の書を学びながら、独自の芸術世界を築いてきました。

書風とその特徴

柏樹の書風は、彼の師である村上三島とは対照的です。村上は温かみのある流麗な草書を得意としましたが、柏樹は素朴で朴訥な線に魅了されています。大学在学中および卒業後には、宋代の蘇軾や草書の初期作品である『平復帖』に強く影響を受け、文字の持つ新鮮さやシンプルな美に心を打たれました。この時期の経験は、柏樹の現在の書風に大きな影響を与え続けています。

また、彼の書は短く鋭い線によって構成されており、打楽器のような響きや空間が感じられるのが特徴です。この墨痕と余白の対比が、彼の作品に独特の気韻を与えています。

略歴

伯樹は昭和9年（1934年）に静岡県で生まれ、森町で成長後、森高校を経て京都学芸大学美術科（書道専攻）に入学。大学卒業後の昭和32年（1957年）に村上三島に師事し、書道の道を本格的に歩き始めました。それ以来、彼は数々の賞を受賞し続けています。特に、1975年に受賞した日本書芸院大賞や、2008年の日本芸術院賞などが際立ちます。

彼は、文化功労者として表彰されるだけでなく、平成28年（2016年）には「書 杭迫柏樹の世界」展を開催し、続いて令和元年（2019年）や令和4年（2022年）にも展覧会を行いました。これらを通じて、彼の芸術が多くの人々に伝わり、支持されています。

主な役職と活動

柏樹は、書道界での影響力を持つだけでなく、様々な団体の役職にも就いています。公社日展名誉・特別会員や日本書芸院名誉顧問、全日本書道連盟顧問など、その活動は広がっています。また、南京林業大学では兼職教授を務めるなど、書道の普及にも尽力しています。

著作とメディア

書道の理論や実践についての知識を広めるため、柏樹は多くの著書を刊行しています。中でも『王羲之書法字典』や『暮らしの中の書』などは、多くの書道愛好者にとって価値ある参考書となっています。このような著作を通じて、彼は後世に向けた書道の伝承にも大きく貢献しています。

まとめ

杭迫柏樹は日本の書道界において、独自の立ち位置を築いている書道家です。その書風や思想は多くの人々に影響を及ぼし、書道の発展に寄与し続けています。来る日々においても、その作品が多くの人の心に響き、新たな芸術表現へとつながっていくことを待ち望みます。

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