東マケドニア・トラキア

東マケドニア・トラキア地方

ギリシャ共和国の北東端に位置する東マケドニア・トラキア地方は、ギリシャ領マケドニアの東部とトラキア地方の一部から構成される広域自治体です。首府はコモティニに置かれ、その地理的な特徴と歴史的背景から、多様な文化と景観を有しています。

名称

日本語では、「東マケドニア・トラキ」や「東マケドニア・トラーキ」とも表記されることがあります。これらは、現代ギリシャ語の発音に基づいたものです。

地理

位置

東マケドニア・トラキア地方は、ギリシャの最北東端に位置し、西は中央マケドニア地方と接しています。東はトルコ、北はブルガリアと国境を接しており、東西に長い形状をしています。エーゲ海に浮かぶタソス島やサモトラキ島もこの地方に属します。

構成

この地方は、ギリシャの「地理的な地方区分」におけるマケドニア東部と、トラキアの一部である西トラキアから成り立っています。トラキアは歴史的な領域であり、現代ギリシャ語では「トラキ」と呼ばれます。ドラマ県、カヴァラ県、タソス県がマケドニアに、クサンティ県、ロドペ県、エヴロス県がトラキアに属します。

主要な都市

この地方最大の都市は、マケドニア側にあるカヴァラです。トラキア側では、クサンティ、コモティニ、アレクサンドルーポリが主要な都市として挙げられます。マケドニア側では、内陸部のドラマも人口が多い都市です。

主要都市の人口（2021年）

カヴァラ: 約60,802人
アレクサンドルーポリ: 約49,176人
コモティニ: 約46,586人
クサンティ: 約45,118人
ドラマ: 約43,485人

歴史

この地域が近代ギリシャの領土となったのは、マケドニア側が1913年、トラキア側が1920年です。マケドニア側はバルカン戦争後のブカレスト条約で、トラキア側は第一次世界大戦後のヌイイ条約によってギリシャに編入されました。

1987年の地方行政改革で、従来の「地理的な地方」に代わる行政区画として13の「ペリフェリア（地方）」が設置され、東マケドニア・トラキア地方が誕生しました。2010年のカリクラティス改革により、ペリフェリアは自治権を拡充し、公選制の知事と議会を持つ広域自治体となりました。

行政区画

県

東マケドニア・トラキア地方は、以下の6つの行政区（ペリフェリアキ・エノティタ）で構成されています。

ドラマ県
カヴァラ県
タソス県
クサンティ県
ロドピ県
エヴロス県

2010年の改革以前は、これらの地域は5つの県（ノモス）として存在していました。2011年1月1日にノモスが廃止され、行政区となりました。この際、カヴァラ県からタソス県が分離しました。

市

この地方には、基礎自治体である市（ディモス）が22あります。

交通

道路

欧州自動車道路
E85号線: オルメニオ - アレクサンドルーポリを結び、ブルガリア方面へと続いています。
E90号線: テッサロニキからカヴァラ、アレクサンドルーポリを経由し、トルコ方面へ続いています。
主要な高速道路・自動車道路
A2号線: テッサロニキからカヴァラ、アレクサンドルーポリを結んでいます。
GR-2号線: テッサロニキからカヴァラ、アレクサンドルーポリ、フェレスを結んでいます。
GR-51号線: オルメニオとフェレスを結んでいます。

鉄道

ギリシャ国鉄（OSE）の主要路線が、テッサロニキからアレクサンドルーポリ、オルメニオを結んでいます。

空港

カヴァラ国際空港
アレクサンドルーポリ国際空港

港湾

アレクサンドルーポリ港
カヴァラ港

関連項目

ギリシャの地方行政区画

外部リンク

* 東マケドニア・トラキア地方政府

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