東久邇聡子

東久邇聡子：波乱に満ちた皇族の生涯

東久邇聡子は、明治天皇の第九皇女として1896年5月11日に誕生しました。母は園祥子です。聡子内親王の幼名は聡子、御称号は泰宮、お印は孝でした。

1915年、東久邇宮稔彦王と結婚。稔彦王は後に内閣総理大臣を務める人物でしたが、宮家としての規範から外れた行動を取る奔放な人物としても知られていました。聡子内親王は、そんな夫に振り回される場面も少なくありませんでした。

例えば、大正天皇の容態が悪化した際、ヨーロッパを遊学中の稔彦王は帰国を渋り、日本で留守を守っていた聡子内親王は、夫の行動に苦悩を強いられました。彼女の手紙には、夫の無責任な行動への嘆きが綴られています。この逸話は、聡子内親王の立場と、当時の皇室内の複雑な人間関係を垣間見せるものです。

聡子内親王は稔彦王との間に盛厚王、師正王、彰常王、俊彦王の4人の男子をもうけました。中でも長男の盛厚王は、昭和天皇の第一皇女子である照宮成子内親王と結婚しました。これは、皇室における複雑な姻戚関係の一端を示すエピソードと言えるでしょう。

1947年10月14日、夫と共に皇籍を離脱。以降は「東久邇聡子」と名乗り、皇族としての生活から一転、一般人の生活を送ることとなりました。

多くの明治天皇の子女が夭折した中、聡子内親王は姉である北白川房子と共に、皇籍離脱後も長寿を全うしました。これは、彼女自身の強さと、時代の流れの中でたくましく生きた証と言えるでしょう。

1978年3月5日、81歳で死去。彼女の死をもって、明治天皇の子女（大正天皇とその兄弟姉妹）は全員が他界しました。

聡子内親王の人生は、華やかで穏やかな皇族生活だけでなく、夫の奔放な行動への葛藤や、皇室制度の変化による激動の時代を生き抜いた強さを物語るものです。彼女の人生は、単なる皇族の物語ではなく、激動の時代を生き抜いた一人の女性の生き様として、現代においても多くの示唆を与えてくれると言えるでしょう。

栄典

1915年（大正4年）5月17日 - 勲一等宝冠章
1940年（昭和15年）8月15日 - 紀元二千六百年祝典記念章

系図

（系図については、簡潔な図表などを用いて別途作成する必要があります。）

脚注

（脚注については、史料や参考文献などを明示する必要があります。）

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