東亜祇園ニュータウン春日野

東亜祇園ニュータウン春日野

東亜祇園ニュータウン春日野（とうあぎおんニュータウンかすがの）は、広島県広島市安佐南区山本新町の一丁目から五丁目にわたって開発された大規模な新興住宅地です。「100年先を生きる街」という明確なテーマを掲げ、計画的に整備されました。その高い開発水準は、国土交通省から9901番目の「優良計画開発事業」として認定を受けています。この地域の郵便番号は731-0139で、安佐南郵便局の管区に含まれます。現在の人口はおよそ4,400人です。

地理的特徴

春日野ニュータウンは、広島市の中心部から北へ約6キロメートルの距離に位置し、広島市安佐南区のほぼ中央部にあたります。かつて丘陵地だった場所の東側の斜面を利用して造成されており、周囲の自然環境と調和した住環境が形成されています。

交通アクセス

公共交通機関としては、広島交通バスの山本・春日野線が運行しており、「春日野行き」のバスが団地内に乗り入れています。主要ターミナルからの所要時間は、広島駅から約40分、紙屋町からは約30分、横川駅からは約25分程度です。特に平日と土曜日には、広島駅発の深夜便が2本運行されており、遅い時間の帰宅にも対応していますが、運賃は深夜料金として通常より高くなります。団地内には、「春日野口」「春日野下」「春日野南」「春日野西」「春日野北」「春日野中央」「春日野」の合計7つのバス停留所が設けられています。

自動車を利用する場合のアクセスとしては、国道183号線（可部街道）の西原一丁目交差点、または広島県道277号古市広島線の山本口（北）交差点から進入し、案内に従って進むことで団地に到着します。

街区内の主要施設

春日野地区内には、住民の生活を支える様々な施設が整備されています。

教育・保育施設: 広島市立春日野小学校（2010年4月開校）、春日野まごころ保育園、春日野児童館（2021年秋開所）
医療施設: 春日野歯科クリニック、たなべ春日野クリニック（内科・脳神経外科）
高齢者施設: 特別養護老人ホーム 春日野園（2009年4月開所）、特別養護老人ホーム 和（2018年4月開所）
商業・交流施設: セントレ春日野（複合商業施設、2009年8月オープン）、春日野集会所
学習塾: 個別指導塾Wam 春日野校、学研 春日野教室、毎日個別塾5-Days 春日野校

かつてはセントレ春日野に隣接してポプラ春日野店がありましたが、現在は閉店しています。

周辺地域の施設

春日野地区周辺の山本・祇園地区にも、教育機関や大型商業施設が集積しています。

教育・保育施設: 広島市立山本幼稚園、広島市立山本保育園、山本まごころ保育園、広島市立祇園中学校
* 商業施設: ゆめテラス祇園、フレスタ東山本店、イオンモール広島祇園（2009年4月29日開店）、ダイキ祇園店、ローソン山本七丁目店

公園の整備

団地内には緑豊かな公園が複数箇所設けられており、住民の憩いの場となっています。具体的には、春日野中央公園をはじめ、春日野第四公園から春日野第九公園などが点在しています。宅地概要によれば、合計10箇所の公園（近隣公園1箇所、街区公園9箇所）が計画的に配置されています。

宅地開発の概要

このニュータウンは東亜地所株式会社によって開発されました。所在地は広島市安佐南区山本新町全域に及び、総面積は1,033,761.48平方メートルに達します。計画されている全体の区画数は2351区画です。上下水道、ガス、電気、テレビといった生活インフラは、それぞれ広島市営水道、広島ガス（都市ガス）、中国電力、CATV（ひろしまケーブルテレビ）、公共下水道として整備されています。また、小学校用地や集会所用地、商業用地、多目的用地といった合計6箇所の公共・公益用地が確保されています。

沿革と特記事項

東亜祇園ニュータウン春日野は、開発段階からユニークな経緯を辿っています。特に、団地へのバス路線乗り入れが2003年12月に開始されたのに対し、一般入居の開始は翌2004年4月でした。これは通常、入居開始後に交通アクセスが整備されることが多い中では異例であり、当時、新聞などでも話題となりました。バス運行開始前日の2003年11月30日には、関係者やバス事業者、地元の学校の吹奏楽部が参加した開通セレモニーも盛大に行われています。

こうした街づくりの取り組みは高く評価され、2006年7月には第10回「ひろしま街づくりデザイン賞」において奨励賞を受賞しています。

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