東京ダービー (サッカー)

東京ダービー：東京都に拠点を置くクラブ同士の熱き戦い

東京ダービーは、東京都にホームタウンを置くサッカークラブ間で行われる試合を指します。特に、Jリーグに加盟するFC東京と東京ヴェルディの対戦が「東京ダービー」として広く知られています。近年では、FC町田ゼルビアがJリーグに参入したことで、東京ヴェルディとの対戦は「東京クラシック」と呼ばれるようにもなりました。ここでは、これらのクラブに加えて、東京武蔵野ユナイテッドFCなど、東京都を拠点とする他のクラブ間の対戦についてもご紹介します。

東京ダービーの歴史

Jリーグ創設時、ヴェルディ川崎（当時の読売クラブ）は、東京都内にJリーグの基準を満たすスタジアムがなかったため、川崎市へ拠点を移しました。しかし、実際には国立競技場で多くのホームゲームを開催していました。FC東京がJ1に初昇格した2000年、両クラブは初めてプロクラブとして対戦しました。その前身である東京ガスサッカー部と読売サッカークラブは、1970年に東京都社会人サッカーリーグで対戦し、東京ガスが勝利しています。

2001年に東京ヴェルディが東京都にホームを移転したことで、本格的な東京ダービーが始まりました。最初のダービーマッチは、東京スタジアム（現：味の素スタジアム）のこけら落としとして開催され、大きな注目を集めました。試合のホーム開催権は、両クラブの社長によるくじ引きで決定されたというエピソードも残っています。

激戦の数々

東京ダービーは、常に激しい戦いが繰り広げられてきました。2001年の最終戦では、東京ヴェルディがダービーに勝利しJ2降格を免れました。2003年の2ndステージ第14節では、東京ヴェルディの終了間際の同点ゴールにより、FC東京のアマラオ選手にとって最後のステージ優勝の可能性が絶たれるなど、数々のドラマが生まれています。リーグ戦は常に1点差以内の接戦であり、2008年のリーグ戦では、2試合とも後半アディショナルタイムに決勝点が決まるという劇的な展開となりました。

しかし、残念ながら、両サポーター間での小競り合いも度々発生しており、2005年と2008年には傷害事件も発生しています。

サポーターの熱い応援

FC東京のサポーターは、「ヴェルディだけには負けられない」という強い思いを込めたサポーターソングや、「一生 青と赤 緑は大嫌い東京」といった歌詞で、対戦への熱意を表現しています。また、かつての名称である「ヴェルディ川崎」コールや、東京ヤクルトスワローズの応援を流用した「東京音頭」で読売サッカークラブ（東京ヴェルディの前身）をコールするなど、独自の応援スタイルを持っています。一方、東京ヴェルディのサポーターも、「さぁ行こうぜ、男なら気持ちを見せろヴェルディ アレ! 俺たちがパス回せばガスに負けるはずがない」という応援歌でチームを鼓舞しています。

東京クラシックとその他の対戦

2024年には、16年ぶりにJ1で東京ダービーが復活し、FC町田ゼルビアの昇格により、史上初めて東京の3チームがJ1に所属することとなりました。ただし、2024年度の対戦において、FC東京・東京ヴェルディ双方ともに公式には東京ダービーという呼称を使用していません。

FC町田ゼルビアがJリーグに加盟した2012年からは、東京ヴェルディと町田の間で「東京クラシック」と称したダービーが開催されています。2023年7月9日には、J2史上初めて国立競技場で両者の試合が行われました。また、FC東京と町田の間では「新東京ダービー」と呼ばれる対戦も行われています。

その他、東京都に本拠地を置くクラブ同士の対戦として、日本フットボールリーグでの町田ゼルビア対武蔵野シティFCや、天皇杯での東京都勢同士の対戦などがあります。これらの対戦も、東京のサッカーを盛り上げる重要な要素となっています。

このように、東京ダービーは、FC東京と東京ヴェルディの対戦を中心に、東京都内の様々なクラブが織りなす、熱い戦いの歴史です。それぞれのクラブが持つ背景やサポーターの情熱が、このダービーを特別なものにしています。

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