東京大学先端科学技術研究センター

東京大学先端科学技術研究センターについて

東京大学先端科学技術研究センター（RCAST）は、東京大学に属する重要な附置研究所です。このセンターは、材料学、情報技術、生物医科学、バリアフリー、社会科学、環境・エネルギーといった6つの主要なカテゴリーを中心に、学際的な研究を展開しています。設立は1987年で、略称として「先端研」とも呼ばれます。

設立の背景

先端研の起源は1918年に設立された東京帝国大学航空研究所に遡ります。その後、1964年に宇宙航空研究所（宇航研）となりましたが、1981年にはその研究機関が文部省の二つの研究所に分割されました。この流れを受けて、猪瀬博工学部長は1986年より新たな研究機関の検討を開始し、最終的には先端研が設立されるに至りました。設立当初から「学際性」「流動性」「国際性」「公開性」の四つのモットーを掲げ、大学の枠を超えた新たな文化を構築しました。

2004年には正式に国立大学法人東京大学の附置研究所として認可され、現在も多様な研究活動を展開しています。

研究体系と活動

先端研では、39の専門分野と1つの寄付研究部門、さらに複数の社会連携研究部門が設けられています。研究は材料科学や情報技術、バイオ医療など多岐にわたり、特にエネルギーや環境に関する研究も重要な課題として扱われています。

研究領域

1. 材料：極小デバイス理工学や高機能材料
2. 情報：知能工学や生命データサイエンス
3. 生物医化学：ゲノムサイエンスや代謝医学
4. バリアフリー：人間支援工学など
5. 社会科学：科学技術論や技術経営
6. 環境・エネルギー：新エネルギーや気候変動科学

研究組織はフラットな構造を取り入れ、各研究室が独自の専門分野を追求する中で、融合的な研究が可能です。新たに研究者を採用する際は、社会のニーズに即したテーマで考慮が行われます。

地域との連携

先端研は、多様な地域や企業との連携を強化し、新たな研究パートナーシップを探求しています。特に震災復興やエネルギー転換といった社会的課題への対応に努めています。具体的には、地域自治体との共同プロジェクトや、企業とのトライアル連携が展開されています。

教育プログラム

また、先端研では大学院教育にも力を入れ、特に社会人を対象とした再教育プログラムを提供しています。2009年度からは「先端科学技術イノベータコース」をスタートし、イノベーションを創出する力を持つ人材の育成に貢献しています。修了後は博士（工学）または博士（学術）の学位が授与されます。

国際的なネットワーク

東京大学先端科学技術研究センターは国際的な協力関係を築いており、世界中の大学や研究機関と研究交流を行っています。例えば、アメリカのアリゾナ州立大学やフランスの国立科学研究センターなどと連携し、革新的な研究を進めています。

交通アクセス

先端研は駒場IIキャンパスに位置し、代々木上原駅や駒場東大前駅からのアクセスも良好です。徒歩での移動も可能で、多くの研究者や学生が日々訪れる場所となっています。

まとめ

東京大学先端科学技術研究センターは、先端的な研究と教育を通じて、社会に貢献することを目指しています。学際的なアプローチと地域・国際連携によって、研究の未来を切り開く試みは、今後も拡大していくでしょう。

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