東京少年少女合唱隊

東京少年少女合唱隊（とうきょうしょうねんしょうじょがっしょうたい、英語名称：Little Singers of Tokyo、略称：LSOT）は、日本を代表する児童合唱団体です。

創設と沿革

この合唱隊は、1951年に長谷川新一氏によって創設されました。当初は東京都内の小学生男子30名による「東京少年合唱隊」として発足し、ポーロ・アヌイ氏も創設指揮者として名を連ねました。数年後の1954年には「東京少女合唱隊」が結成され、練習用の専用スタジオが新大久保に建設されています。1955年には、カトリック系の国際的な児童合唱連盟である「プエリ・カントレス」に日本支部として加盟し、国際的な繋がりを持ちました。少年合唱隊と少女合唱隊が合併し、現在の「東京少年少女合唱隊」として活動を開始したのは1964年のことです。この合併は、ニューヨークで開催されたリンカーンセンター開場記念での初の海外親善公演がきっかけとなりました。この公演を皮切りに、国内外での活動が活発化していきます。

活動内容とレパートリー

東京少年少女合唱隊のレパートリーは非常に幅広く、グレゴリオ聖歌のような古楽から、現代音楽に至るまで多岐にわたります。特に現代音楽には積極的に取り組み、松平頼暁、一柳慧、細川俊夫といった著名な作曲家からの委嘱作品も数多く初演・再演しています。メディアへの登場も多く、NHKの長寿番組『みんなのうた』では、1961年の初回放送曲「おお牧場はみどり」をはじめ、現在までに38曲（NHKオンライン上の紹介による）もの楽曲を歌っています。合唱コンクールにおいても高い評価を得ており、特に朝日新聞社主催の全日本合唱コンクールでは、1986年から1988年にかけて3年連続で金賞を受賞する快挙を成し遂げています。年間2回の定期演奏会を開催するほか、国内外の主要なオーケストラやオペラ団体との共演も頻繁に行っており、その演奏活動は多岐にわたります。

主な共演実績

東京少年少女合唱隊は、国内外の著名な音楽家や団体と数多くの共演を果たしています。オペラ分野では、イタリア歌劇団（『カルメン』）、ボリショイ歌劇場（『ボリスゴドノフ』）、キーロフオペラ（現マリインスキー劇場、『ボリスゴドノフ』『スペードの女王』）、ウィーン国立歌劇場（『ボリスゴドノフ』）、ミラノ・スカラ座（ムーティ指揮『オテロ』）、小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクト（『カルメン』『ヘンゼルとグレーテル』）など、世界のトップレベルの団体との共演は枚挙にいとまがありません。オーケストラとの共演も活発で、読売日本交響楽団（ブリテン作曲『戦争レクイエム』、フォーレ作曲『レクイエム』）、NHK交響楽団（モンテヴェルディ作曲『聖母のための夕べの祈り』、チャイコフスキー作曲『くるみ割り人形』、ベートーベン作曲『交響曲第9番』）、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団（アバド指揮マーラー作曲『交響曲第3番』）、サンクトペテルブルク・フィルハーモニー交響楽団（テミルカーノフ指揮ショスタコーヴィチ作曲『オラトリオ森の歌』）など、歴史的な演奏会に多数参加しています。また、音楽祭や国際イベントにも出演しており、1997年にはパリの秋フェスティバル、2000年にはルツェルン国際音楽祭（細川俊夫個展）、ハノーバー万博に参加。2001年には坂本龍一氏のチャリティーソング「ZERO LANDMINE」にも参加するなど、幅広い分野で活動を展開しています。

組織構成

合唱隊の指導体制としては、桂冠指揮者を長谷川冴子氏、常任指揮者を長谷川久恵氏が務めています。内部には、メンバーの年齢や経験に応じた複数のグループが存在します。

LSOT Jr: 学年別にAからCのクラスに分かれ、合唱の基礎やステージマナーを学びます。
LSOT Concert Choir: LSOT Jrの最上級クラスとLSOT Sinior & Youth Choirの一部メンバーで構成され、演奏活動の中心を担います。
LSOT Sinior & Youth Choir: Jr課程を修了したメンバーで、独自の演奏活動や教会でのコンサートなどを行います。
Vintage Voice of L.S.O.T: 経験者による室内混声合唱グループです。
* Chorus L.S.O.T: 大編成の混声合唱団で、修了生や外部メンバーも参加し、主演公演などで活動します。

合唱隊の活動は、L.C.（リトルクワイヤー）基金などの後援によって支えられています。

著名な出身者

東京少年少女合唱隊からは、湯川潮音氏など、音楽分野で活躍する多くの人材を輩出しています。

長きにわたり日本の児童合唱界を牽引してきた東京少年少女合唱隊は、その確かな実力と多様な活動を通じて、多くの人々に音楽の感動を届け続けています。

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