東京少年鑑別所

東京少年鑑別所の概要

東京少年鑑別所は、法務省東京矯正管区に属する施設で、通称「ネリカン」として知られています。この鑑別所は、1949年に施行された少年法及び少年院法に基づき設立され、2012年に施行された少年鑑別所法のもとで、その機能を果たしています。東京少年鑑別所は東京都内の23区および島しょ部を担当し、それ以外の地域には東京西少年鑑別所が存在します。

この施設では、家庭裁判所が決定した観護措置によって、一時的な収容が行われます。通常はおおよそ4週間の期間で鑑別が実施されますが、重大事件においては最大8週間まで延長されることがあります。この鑑別作業の結果は、家庭裁判所に送付され、少年審判や様々な支援機関での判断材料として利用されます。

業務内容

東京少年鑑別所では、約60名の職員が様々な専門的な役割を担っています。主要な職員には法務教官、法務技官、内科医、精神科医などがいます。法務教官は、教育や指導を担当し、教員免許を保有している職員も少なくありません。法務技官は心理検査を行う専門職で、臨床心理士の資格を持つ者が多く、心理学の専門家として少年の心の問題に向き合います。

具体的な入所者の傾向としては、男子は主に窃盗、傷害、恐喝などの非行が多く、女子では虞犯や覚せい剤関連のケースが目立ちます。特に、近年は詐欺での検挙が増加傾向にあり、入所者の中には発達障害を持つ少年も少なくありません。自閉症スペクトラムやADHDの少年も多く見受けられます。また、国際化の進展により、外国人入所者の割合も増えており、中国、ベトナム、フィリピン、韓国、ブラジルなど多様な国籍の少年が収容されています。

一般向け相談窓口

東京少年鑑別所には「ねりま青少年心理相談室」が併設されており、非行少年への対応の専門性を生かして、一般からの相談にも応じています。この相談は無料で、その内容は厳重に守られるため、相談者は気軽に訪れることができます。相談室へのアクセスは、鑑別所とは異なる入り口が設けられており、人目を気にせず利用できる環境が整っています。

相談可能な内容には、本人だけでなく、家族や関係者からの相談も含まれ、学校での非行問題やいじめに対するアドバイスも提供されています。実際に、学校主催の指導研究会にも参加し、問題行動をとる生徒への具体的なアドバイスを行っている実績もあります。

電話やメールでの相談予約も可能で、公式ウェブサイトを通じて簡単にアクセスすることができます。

施設アクセス

東京少年鑑別所は東京都練馬区氷川台に位置しており、アクセスも良好です。最寄りの駅は東武東上線の上板橋駅で南口から徒歩約15分、また東京メトロの氷川台駅からは1番出口を出て徒歩約10分の位置にあります。

関連人物

この施設には、歴史的に重要な事件に関連する人物も存在します。例えば、1960年に自殺した山口二矢や、怒羅権の初代総長である佐々木秀夫は、少年鑑別所での経験を自伝で語っています。彼たちの事例は、少年鑑別所がどのような役割を果たしうるかについて、重要な示唆を与えてくれます。

東京少年鑑別所は、少年たちの未来を見据えた支援と教育を行っている重要な施設であり、さまざまな問題を抱えた青少年に対する支援を行いながら、地域社会との連携を深めています。

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