東京湾口道路

東京湾口道路（とうきょうわんこうどうろ）

東京湾口道路は、神奈川県横須賀市から千葉県富津市の間を結ぶ約17キロメートルの地域高規格道路の構想です。この道路は、東京湾の入り口にあたる浦賀水道を横切るための吊り橋や海底トンネルを通じて接続される予定です。また、東京湾アクアラインや第二東京湾岸道路などと組み合わせて、東京湾を周回する環状道路の一部としても位置づけられています。

背景

このプロジェクトは、1959年に行われた産業計画会議の第7次勧告「東京湾2億坪の埋め立てについての勧告」に含まれる「NEO-TOKYO PLAN」にまで遡ることができます。具体的な計画は1994年に千葉県側の市町によって建設促進協議会が設立され、誘致活動が始まりました。

しかし、2008年に国土交通省は計画を棚上げし、その後の閣議で「長期的視点から取り組む」とされ、事実上凍結されてしまいました。そのため、協議会の活動も2014年以降は開催されていない状況となりました。

近年の動向

ところが、2023年1月にSNS上でのツイートがきっかけで、この道路に対する注目が再び高まりました。一人のTwitterユーザーが「ここに橋が欲しい人、割といる説」という投稿をしたところ、1万件以上のリツイートを集め、社会的な期待感が高まりました。この反響を受けて、富津市は新たに総会を開催し、2024年を目処に促進協議会を発展的に解消し、期成同盟に移行する決定を下しました。

技術的な問題

この計画の実現にはいくつかの課題もあります。その中でも特筆すべきは、明治維新後に建設された海堡（うみぼう）のうち、第三海堡の廃墟が予定区間に大きな障害物となっていたことです。しかし、2007年にはこの海堡の撤去作業が完了し、浦賀水道航路整備の必要性から進められた撤去事業が成功しました。

また、1967年に制定された横須賀市歌では、この道路の完成が祈願されており、地元の希望も伺えます。さらに、富津市ではかつて「富津花火大会」が毎年夏に開催され、東京湾口道路建設促進の象徴的なイベントとなっていました。

今後の展望

現在、東京湾口道路の建設が実現すれば、近隣のフェリー運航と競合する可能性があります。東京湾フェリーは、久里浜港から金谷港への運航を行っており、実質的に海上国道の役割を担っています。しかし、新たな道路が開通した際にフェリーに対して補償が必要になるかどうかは、まだ具体的な議論には至っていない状況です。

最後に、東京湾口道路の計画は、地域の経済発展や交通網整備に寄与する大きなポテンシャルを秘めています。これからの動向に注目が集まります。

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