東京理科大学近代科学資料館

東京理科大学近代科学資料館

東京理科大学近代科学資料館は、東京理科大学が運営する博物館で、科学の歴史や教育的資料を体験できる場所です。この館は、1991年の東京理科大学創立110周年を記念して設立されました。館全体のデザインは、1906年に神楽坂に建設された東京物理学校の木造2階建ての校舎を模しており、その歴史的背景を感じさせます。

建設費は、二村化学工業の創業者である二村冨久氏が寄付したもので、このことから「二村記念館」との名称も持ちます。館内のエントランスホールには、彼の銅像が設けられています。さらに、2013年には地下1階に数学体験館がオープンし、2022年には2階に大村智記念展示室が開設されるなど、時間とともにその活動が広がってきました。

展示内容

館内の展示物は、東京物理学校で収集された資料や寄贈された品々を基にしています。エキシビションの中心は「計算機の歴史」で、江戸時代の和算書から始まり、さまざまな算木やそろばん、そして機械式計算機や電子式卓上計算器、電卓に至るまで、計算技術の進化を展示しています。また、真空管や初期のパーソナルコンピュータも観ることができます。

計算機の歴史コーナー

このコーナーでは、世界中のさまざまな計算器具が並び、計算技術の発展の過程を視覚的に体験できます。中国の算木や古代インディアンの算具から始まり、そろばんや計算尺、機械式計算機に至るまで、時間の経過とともに進化する計算機の姿を見ることができます。特に、日本の初期のコンピュータFACOM 201や、1970年代から普及した電子式卓上計算機（電卓）の展示は、大変興味深いものです。また、アップルIIやPC-8001など、初期のパーソナルコンピュータも並べられ、技術革新の足跡を振り返ります。

物理学校記念コーナー

このコーナーには、東京物理学校に関連した記念品が展示されています。特に、卒業生で後に講師となった菱田為吉氏が制作した65種類の多面体模型は、その美しさと明治期の数学的探求への洞察を与えてくれます。これらの模型は、当時の彫刻芸術としても評価されたもので、その精巧さには驚かされます。

エジソンコーナー

このエリアでは、エジソンによって発明された炭素電球や蓄音機が展示されています。どちらも明治時代のもので、電球は実際に発光する様子を見ることができるため、来館者にとって貴重な体験となります。

体験コーナー

体験コーナーでは、タイガー計算器を操作することができ、さらには再生式ラジオや蓄音機の音を楽しむこともできます。これにより、歴史的な技術に直接触れることができ、学びの楽しさを実感できる設計となっています。

利用情報

入館は無料で、開館時間は水曜日から金曜日の12:00から16:00、土曜日の10:00から16:00です。ただし、日曜日、月曜日、火曜日、祝日、および大学が休業する期間は休館となります。教育的な経験を求める方は、ぜひ訪れてみてください。

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