東京都交通局日暮里・舎人ライナー

日暮里・舎人ライナーについて

日暮里・舎人ライナー（にっぽり・とねりライナー）は、東京都荒川区の日暮里駅と足立区の見沼代親水公園駅を結ぶ新しい交通手段です。この路線は東京都交通局が運営し、案内軌条式鉄道（AGT）に分類されます。開業は2008年3月30日で、現在では都内の重要な交通網の一部とされています。

概要

日暮里・舎人ライナーは、全長約9.7 kmにわたる路線で、途中13の駅があります。主に尾久橋通りの上を走る直線的なトレースが特徴で、自動運転の新交通システムとして設計されました。この路線は、東京都の「日暮里・舎人ライナー条例」に基づいて管理運営されています。

運賃と利用条件

運賃は大人の場合、初乗り168円（ICカードの場合）から始まり、最高335円までの4段階料金制です。ICカード（PASMOやSuicaなど）を使った自動改札機での利用が可能ですが、開業前にアナウンスされたパスネットは使用できなくなっています。

鉄道の特徴

この路線は日本で2例目の公営交通AGTであり、開業後は迅速に利用者数が増加しました。支柱や桁の構造物は東京都建設局によって設計されていて、鉄道施設は東京都地下鉄建設が担当しています。最高速度は時速60 kmです。

歴史的背景

日暮里・舎人ライナーの開業に至るまでには多くのドラマがありました。1974年に、交通渋滞が慢性的な問題となっていた地域での公共交通機関の改善を求める声があがり、自民党の小金井俊輔が鉄道誘致の活動を始めたことがきっかけです。その後、東京都の運輸政策審議会でAGTとして位置づけられ、1997年には着工が決定しました。

本路線が開通したことで、従来の都営バス路線の重要性は低下しましたが、地域の高齢者などには依然として便利な交通手段として残されています。2022年にはバス路線の再編が行われ、高齢者の利用も考慮に入れています。

運行形態とダイヤ

開業以降、運行頻度は高く、平日・土休日で異なるダイヤで運行されています。需要の変化に応じて定期的にダイヤ改正が行われるため、現在でも高い利用率を誇っています。

利用状況

開業当初の予測をはるかに上回る利用者数があり、混雑時には155%を超える混雑率を記録しています。このようなことから、混雑緩和のための対策が求められています。特に、乗車率が高く、ラッシュ時には車両の定員を超えることもあります。東京都ではバスの利用を促進するように取り組んでいます。

車両

日暮里・舎人ライナーでは、300形、320形、330形の車両が運用されています。新形式の330形は、ロングシート設計により定員が増え、混雑時の収容能力向上が期待されています。2020年までに20編成の運行体制が整備された他、今後また新しい車両への置き換えが進められます。

終わりに

日暮里・舎人ライナーは、東京都区部北東部における重要な交通手段として、地域経済や日常生活の利便性を支える大切なインフラです。これからのさらなる発展が期待されます。

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