東京都市計画道路幹線街路環状第3号線

東京都市計画道路幹線街路環状第3号線について

東京都市計画道路幹線街路環状第3号線は、東京都中央区勝どき二丁目から江東区辰巳二丁目に至る、全長約27kmの環状道路として計画されました。しかし、その全線が開通しているわけではなく、一部区間のみが利用されているのが現状です。

計画の歴史

この道路の計画は、1923年の関東大震災後の復興計画に端を発します。1927年には、東京駅を中心に半径約16kmの範囲に、環状道路と放射状道路を整備する計画が立てられました。環状第1号線から第6号線は、既存の道路を活用しつつ、必要な部分を新設する方針でした。しかし、太平洋戦争の影響で計画は中断。戦後、復興計画の一環として再開されましたが、資金難や用地買収の難航により、部分的な整備にとどまっています。

現在の状況

現在、環状3号線として認識されているのは、開通済みの区間のみです。これらの区間は、外苑東通り、播磨坂、言問通り、三ツ目通りなど、それぞれ異なる名称で呼ばれています。特に、六本木付近では、1964年の東京オリンピックを契機に、既存道路との交差地点にトンネルが設けられるなど、将来的な全線開通を見据えた工事が行われました。

各区間の詳細

中央区内

中央区内では、清澄通りとして知られています。この区間は特別区道であり、環状第2号線から港区の放射第20号線までの約2.3kmは未整備となっています。現在、東京都の第四次事業化計画において、優先的に整備される路線の一つとされています。

六本木区間

六本木区間は、外苑東通りを直進した南青山一丁目から六本木六丁目、麻布十番を経由して芝に至る区間です。外苑東通りのバイパス機能を持つこの区間は、1993年に全線開通しました。外苑東通りが尾根沿いを走るのに対し、環状3号線は谷沿いの低地を通るのが特徴です。

主なトンネル
麻布トンネル：1964年の東京オリンピック関連整備で開通。当初は片側供用でしたが、六本木トンネルの完成に合わせて両側供用となりました。
六本木トンネル：政策研究大学院大学付近の山状地形を貫くトンネル。1993年に完成しました。

新宿区内

曙橋区間：外苑東通りの一部で、拡幅事業が進められています。
薬王寺区間：暫定2車線だった区間が、2022年11月に4車線で交通開放されました。
* 弁天町区間：暫定2車線だった区間の拡幅事業が進行中です。

播磨坂区間

文京区小石川四丁目・五丁目に位置する播磨坂は、全長約460m、幅約40mの区間です。「播磨坂桜並木」としても知られ、公園のように整備された中央分離帯には、彫刻やベンチが配置された遊歩道があります。この区間は、戦災復興都市計画に基づいて整備されたもので、1960年に桜が植えられ、現在では都心の貴重なグリーンゾーンとなっています。毎年春には「文京さくらまつり」が開催されます。

文京区内

文京区内では、播磨坂区間を除き、目白通りから言問通りまでの区間は現道が存在しません。言問通りの一部も、都市計画道路としての整備が完了していません。この区間は、東京都の第四次事業化計画において、計画内容の再検討路線とされています。

まとめ

東京都市計画道路幹線街路環状第3号線は、その歴史と現状において、都心の交通網を考える上で重要な要素です。全線開通への道のりは長く、多くの課題が残されていますが、部分的に開通した区間は、都市生活を支える重要なインフラとして活用されています。

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