東京都港区の町名

東京都港区の町名の歴史

東京都港区は、1947年3月15日に芝区、麻布区、赤坂区が合併して誕生しました。港区設立以前の町名や、明治時代からの町名の変遷について見ていきましょう。

港区の前史と行政区画の移り変わり

江戸が「東京」と改称されたのは1868年のことです。この年の7月17日、江戸から東京への改称が公式に行われるとともに、東京府が設置されました。その後、1889年には東京市が誕生し、東京府の行政区画もさまざまに変遷しました。この変遷は、「番組制」「大区小区制」「15区6郡制」など複数の方式を通じて続いていきます。

明治2年2月に東京府では、町地と郷村部の境を明確にするために朱引が制定され、皇居を中心とした市街地が区分されました。この際、50の区画に分けられたうち港区の前身となる区域は、一部は朱引内、他は郷村部に含まれていました。

その後、明治4年には朱引が再編され、より細分化された区画が設定されました。明治7年には再度の区割り見直しがあり、この時も港区の地名が現在の形に近づきます。1891年になると、東京市が成立し、芝区、麻布区、赤坂区といった現在の港区に相当する区画が整備されました。

1960年代から70年代にかけて、住居表示が実施されることにより、多くの町名が廃止され、明治時代に新設された町名の多くも見直されました。これにより、町名は現代の社会に即したものへと変更されていきました。

旧芝区の町名

旧芝区では、1878年に成立時には135の町丁が存在しましたが、その後の区域再編により町丁数は129に減少。その後、芝区成立時の町名には「芝」を冠する名前もありましたが、1911年には簡素化され、冠称が外されることが多くありました。その後、1947年に港区が成立する際には、再び「芝」の冠称が復活しました。

昭和戦前期成立の町名

新橋や浜松町地区では、1932年に大規模な町名改正が実施され、明治期の多くの町名が消滅しました。また、昭和11年以降には埋立地の町名も再編され、これに該当する町名は多くが住居表示の実施後に変更されることになりました。

旧麻布区と旧赤坂区の町名

麻布区は1878年に成立し、当初約50の町丁が存在しましたが、後に編入や町名変更が続き、町丁数は変動しました。赤坂区も同様に、町丁の数は1889年には49に減少し、戦前期も町名はおおむね保持されました。特に赤坂の町名は、1911年に簡素化が行われ、港区成立時に再び冠称が復活しました。

現行行政地名

現在の港区の町名は2012年時点のものを基にしていますが、住居表示未実施地区も存在します。また、港区と中央区の境界には未定部分もあるため、一部の商店などでは便利上の住所が表示されています。

このように、東京都港区の町名は、明治時代初期からの行政区画の変遷を経て、現代に至るまでさまざまな歴史を経てきたことが分かります。

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