東京都監察医務院

東京都監察医務院について

東京都監察医務院は、死体解剖保存法第8条に基づき設置された、東京都の行政解剖施設です。主に東京都23区内で発生するすべての不自然死について、死体の検案および解剖を行っています。不自然死とは、病死や老衰といった自然死以外の死因が不明確な場合を指し、事件や事故、自殺などが疑われるケースが含まれます。

設立と業務

1948年（昭和23年）3月21日に開院して以来、365日体制で死体検案書を発行しています。これは、死亡診断書や死体検案書がなければ火葬や埋葬ができないため、迅速な対応が求められる重要な業務です。また、東京都の多摩地域や島嶼部においても、1978年（昭和53年）から関係機関に業務を委託する形で、検案および解剖業務を実施しています。

監察医の役割

監察医は、これらの検案や解剖を通じて死因を特定し、必要に応じて警察や検察による捜査の基礎となる情報を収集します。監察医の専門的な知識と経験は、事件性の有無を判断する上で不可欠です。死因を特定することは、再発防止策を講じる上でも重要です。たとえば、感染症による死亡であれば感染拡大を防ぐ対策を講じることができ、事故死であれば、同様の事故を減らすための対策を検討することができます。

研修と教育

東京都監察医務院は、監察医の養成機関としての役割も担っています。また、検視に携わる者や関係機関の職員に対して、実習や研修を実施しています。具体的には、以下のような機関で研修実績があります。

陸上自衛隊小平学校
警視庁警察学校
警察大学校
関東管区警察学校
海上保安庁
消防庁消防大学校
厚生労働省労働基準局労災補償部
大学医学部医学科

これらの研修を通じて、監察医だけでなく、幅広い分野で死因究明に関わる人材の育成に貢献しています。

所在地と施設

東京都監察医務院は、東京都文京区大塚四丁目21番18号に所在しています。施設は地下1階、地上4階建てとなっています。

著名な人物

過去には、上野正彦氏が監察医務院の院長を務めていました。上野氏は、警視長としてのキャリアも持ち、監察医の職務を通じて社会に大きく貢献しました。

外部リンク

* 東京都監察医務院

まとめ

東京都監察医務院は、不自然死の死因究明だけでなく、監察医の育成や関係機関との連携を通じて、社会の安全と安心に貢献しています。その活動は、医学、法医学、そして社会学の視点からも重要な役割を担っており、私たちの社会生活を支える上で不可欠な存在です。

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