東京都立一橋高等学校

東京都立一橋高等学校は、東京都千代田区東神田に校舎を構える都立高等学校です。その校名は「一橋」ですが、実際の所在地は東神田であるという特徴があります。同校は、1950年に東京都立今川高等学校と東京都立神田高等学校が統合されて誕生しました。両校はそれぞれ、1908年創立の今川裁縫補修所や1940年創立の東京市立蒲田工業学校などをルーツとしており、一橋高校はこれらの前身校から続く長い歴史と伝統を受け継いでいます。

開校後の同校は、特に昭和20年代後半から昭和40年代にかけて進学校として位置づけられ、この時期には毎年平均して2～3名の東京大学合格者を出すなど、一定の進学実績を上げていました。しかし、その後導入された学校群制度などの教育制度改革の影響もあり、次第に進学実績の面では変化が見られるようになりました。

学校の教育課程は、2005年に大きな転換期を迎えました。それまでの学年制に基づく全日制課程と夜間定時制課程から、単位制による昼夜間定時制課程（昼間部であるⅠ部・Ⅱ部、夜間部であるⅢ部）と、通信制課程を設置する学校へと再編されたのです。この課程改編には、他の都立高校（都立上野高校通信制や都立小石川高校定時制の一部）の統合・移転も含まれており、これをもって2006年3月には全日制課程が、2008年3月には旧夜間定時制課程がそれぞれ閉課程となりました。現在は単位制の定時制と通信制を中心に運営されています。

現在の教育課程、特に通信制課程にはいくつかの特色があります。

スクーリング（面接授業）：他の多くの通信制高校が多様な形式をとる中、一橋高校の通信制では土曜日にスクーリングが集中的に行われます。これにより、平日が忙しい生徒も通学しやすい体制となっています。授業内容は限られた時間の中で効率よく学習を進められるよう、凝縮された形で行われます。
開庁時間：学期期間中の学校の開庁時間は、基本的に火曜日から土曜日まで（祝日を除く）の午前8時から午後5時までです。この時間帯であれば、生徒は登校して窓口での手続きや学習相談などが可能です。
教員への問い合わせ：電話での問い合わせは、火曜日から土曜日まで（祝日を除く）の午前8時40分頃から受け付けていますが、教員の準備状況なども考慮し、午前9時以降にかけることが推奨されています。木曜日以外に特定の教員に直接相談したい場合は、事前に電話での予約が必要となる場合があります。

一橋高校の通信制課程で卒業を目指す生徒は、定められた規則を遵守する必要があります。これらの規則は「通信教育のしおり」に詳細に記載されており、生徒は卒業まで毎年この「しおり」を受け取ります。規則違反があった場合、指導の対象となり、場合によっては退学処分となる可能性もあります。卒業資格を取得するためには、以下の要件を満たすことが必須です。

スクーリングに遅刻せず、規定された回数以上きちんと出席すること。
学校から出されるレポートに適切に取り組み、合格すること。
指定された試験を受けて、合格すること。

生徒の学習を支援するため、eラーニングシステム「moca」が導入されています。生徒は各自のスマートフォンやPCなどからこのシステムにアクセスし、レポートの提出やその受付状況の確認、自身のスクーリング出席数の把握、さらには各科目の成績（評定）をオンラインで手軽に確認・管理することができます。

一橋高校は、多岐にわたる分野で活躍する人材を卒業生として輩出しています。例えば、格闘家のビクトル古賀氏、元NHKアナウンサーの室町澄子氏、俳優の伊沢弘氏、イラストレーターの長新太氏、登山家として日本人初の8000メートル峰全14座登頂を達成した竹内洋岳氏などが挙げられます。

交通アクセスについても、都心に位置する利便性の高い環境です。JR総武快速線の馬喰町駅からは徒歩約3分、都営地下鉄新宿線の馬喰横山駅からは徒歩約4分、JR中央・総武緩行線および都営地下鉄浅草線の浅草橋駅からは徒歩約5分と、複数の主要駅からアクセスしやすい立地となっています。

沿革の概要：

1950年：都立今川高校と都立神田高校を統合し開校。
1976年9月：現校舎竣工。
2000年11月：創立50周年式典挙行。
2005年4月：単位制の昼夜間定時制及び通信制課程を開設。都立上野高校通信制が移転。
2006年3月：全日制課程閉課程。
2006年4月：都立小石川高校定時制が移転。
* 2008年3月：学年制夜間定時制課程閉課程。

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