東京都立砧工業高等学校

東京都立砧工業高等学校の概要

東京都立砧工業高等学校（とうきょうとりつ きぬたこうぎょうこうとうがっこう）は、東京都世田谷区岡本にかつて存在した都立工業高等学校です。略称は砧工（きぬこう）または砧工業（きぬたこうぎょう）と呼ばれていました。この学校は、二子玉川と成城学園前の中間に位置し、城南地域及び町田地域に住む生徒が通学していました。

学科と教育内容

砧工業高校は、3つの専門学科を設置しており、各学科で独自の実習や実験授業を行っていました。特に注目すべきは、以下の3つの学科です。

機械科

機械科では、独自の工場が整備され、旋盤やフライス加工、マシニングセンター、アーク溶接施設などを用いた高度な機械技術を学ぶことができました。実技を通じて、精密機械の製造や修理に関する知識を深める機会が豊富に用意されていました。

電子技術科

電子技術科には、ロボットやコンピュータを使用した実習施設が整っており、学生は2年次に8ビットのワンボードマイコンを扱う実習を受けました。この科目では、第二種電気工事士の資格取得を目指す講習会も開催され、多くの学生が資格を手に入れていました。

化学工学科

化学工学科は都立高校の中で唯一設置されており、専門校舎を持ちながら、年間を通じて10分野以上にわたる実習が行われていました。危険物取扱者や計算技術検定といった国家資格を取得する学生も多数存在し、充実した教育体制が整備されていました。

閉校とその後

砧工業高校は、2008年4月に東京都立玉川高等学校との合併により、東京都立世田谷総合高等学校へと再編されました。それに伴い、2007年3月に砧工業高校は閉校となり、44年間の歴史に幕を下ろしました。閉校の際には、最終卒業式が行われ、長きにわたる教育の集大成を迎えました。

進路と卒業生の進展

砧工業高校を卒業した学生の約8割が就職し、中小企業から大手企業へ進む道が開かれていました。また、大学進学を希望する生徒もおり、専門学校や指定校推薦を通じて高等教育に進むことも可能でした。将来を見据えた確かな進路指導がなされていた点も、この学校の特徴です。

アクセス

この高校は、東急田園都市線および大井町線の二子玉川駅から徒歩約15分、小田急小田原線の成城学園前駅からは、二子玉川駅行きのバスに乗り、砧工業高校停留所で下車することでアクセスが可能でした。交通の便も良く、多くの学生にとって通学しやすい環境が整っていました。

著名な出身者

著名な卒業生には、俳優の佐藤仁哉氏がいます。このように、砧工業高校はその教育の質と出身者の実績において多くの支持を受けていました。

まとめ

東京都立砧工業高等学校は、技術者の育成という重要な役割を果たし、多くの生徒に専門的な教育を提供してきました。閉校した後も、その教育理念や精神は新しい世田谷総合高等学校に引き継がれています。

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