東京都職員共済組合青山病院

東京都職員共済組合青山病院について

東京都渋谷区に位置していた東京都職員共済組合青山病院は、「青山病院」として広く知られる医療機関でした。この病院は、東京都職員共済組合が運営を行っており、青山・表参道地区では最も大きな医療法人として機能していましたが、2008年3月に廃院に至りました。

概要

青山病院の設立は1968年にさかのぼりますが、その前は交通病院として知られていました。この交通病院は、青山通りに隣接しており、かつては都電の車両基地があった地域でもありました。さらに、周囲には電車教育のための練習用の線路が設置されていました。青山病院は、東京都職員共済組合が運営する飯田橋病院や東京都健康保険組合の明石病院と合併する形で新たに設立されました。

当初は東京都共済組合の構成員のための職域病院としての役割を担っていましたが、1987年からは一般患者の受け入れも始まりました。2002年には、清瀬市にあった清瀬病院が廃止されたことを受け、病院機能の再編と健康管理センターの設立が行われました。

病院の診療科目は最盛期には11科に達していましたが、2004年の新医師臨床研修制度の開始に伴い医師不足が生じ、特に複数の診療科で人手が引き抜かれる事態が発生しました。2006年には、病院運営の見直しに関する委員会が設置され、病院が特色に欠け、医師の確保が困難であること、収支が厳しい状況であること、施設の老朽化が進んでいるなどの問題が指摘されました。これを受け、病院本体の運営を廃止し、健康管理機能を強化する提案が行われました。結果として、青山病院は2008年にその歴史に幕を下ろしました。

なお、病院の利用者には、診療時に東京都庁から渋谷区役所を経由するバスが運行されていました。廃院後の跡地は暫定的に利用され、2013年から2019年までTBSハウジング渋谷会場として利用されたほか、2025年からは「青山キャンパス」という名称で複数の区立学校の仮設校舎として使われる予定です。

沿革

• - 1966年4月: 東京都職員共済組合が旧交通局病院を引き継ぎ、青山病院として名称変更
• - 1968年12月2日: 東京都職員共済組合青山病院が開設
• - 1980年6月: 人工透析室が設置される
• - 1987年4月1日: 保険医療機関、国民健康保険療養取扱機関に指定され、一般診療を開始
• - 1996年4月1日: 内科が第一内科（呼吸器・循環器中心）と第二内科（消化器・代謝中心）に分割される
• - 1994年4月1日: 形成外科が新たに開設
• - 2002年4月: 健康管理センターが設立される
• - 2006年12月21日: 「青山病院のあり方」に関する検討委員会による報告
• - 2007年12月: すべての科の診療を停止
• - 2008年3月31日: 青山病院が廃止

診療科目

• - 内科（第一内科・第二内科）
• - 神経科
• - 外科
• - 整形外科
• - 皮膚科
• - 泌尿器科
• - 婦人科
• - 眼科
• - 耳鼻咽喉科
• - 放射線科
• - 麻酔科

青山病院の歴史は、地域社会における医療の重要な一部を担っていたことを示しており、多くの患者に愛された病院でもありました。廃院という形でその変遷は終わりを迎えましたが、病院の存在は地域の人々に深く根付いていました。

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