青山通り

青山通りは、東京都千代田区の三宅坂から渋谷区の渋谷に至る、国道246号線の一部区間を指す通称です。この道は、都心部を東西に横断する主要な幹線道路であり、歴史的な背景と現代的な都市機能が融合した、独特の景観を持つエリアを形成しています。

概要

青山通りの起点は、千代田区永田町の三宅坂交差点です。そこから西へ進み、赤坂見附交差点で左に折れ、外堀通りを陸橋で越えます。その後、外苑前交差点で再び左に曲がり、南西へと進路を変えます。渋谷警察署前交差点では六本木通りと分岐しますが、青山通りは直進し、渋谷駅東口交差点で明治通りと交差して終点となります。この地点から先は、国道246号は「玉川通り」と名称を変え、引き続き南西方向へと続いていきます。

青山通り沿いには、赤坂、青山、表参道、骨董通り（高樹町通り）といった、それぞれ異なる魅力を持つエリアが連なっています。道路は片側3～4車線と広く、地下には東京メトロ銀座線と半蔵門線が通っています。また、東宮御所、明治神宮外苑、青山霊園など、緑豊かな場所も多く点在しています。

沿道には、国際連合大学、青山学院、複合商業ビルのAo、伊藤忠商事東京本社ビル、新青山ビル、草月会館、赤坂エクセルホテル東急といった、様々な建物が立ち並んでいます。これらの建物からもわかるように、青山通りはオフィス街としても、またファッションの発信地としても、非常に人気のある通りです。

歴史

江戸時代、青山通りは厚木街道と呼ばれていました。これは五街道に次ぐ主要な街道の一つであり、重要な交通路でした。青山の名前は、この地に屋敷を構えていた青山忠成に由来しています。幕末には、現在の青山通りの北側に篠山藩の下屋敷、南側に分家の屋敷や旗本屋敷、郡上藩の下屋敷などが点在していました。

明治時代に入ると、交通機関の発達に伴い大規模な道路改正計画が立案されましたが、日清戦争の影響で計画は一時頓挫しました。しかし、1904年には、青山通りの三宅坂から青山四丁目（現在の外苑前付近）まで市電が開通し、その後、内堀通りから渋谷までが路面電車で結ばれました。

太平洋戦争末期の1945年、東京大空襲によって赤坂地区は甚大な被害を受け、ほぼ焼け野原となりました。敗戦後、1962年には「青山通り」という名称が正式に採用され、1964年の東京オリンピックに向けて道路の拡幅工事が行われました。この工事によって、青山通りはそれまでの22メートルから40メートルへと大幅に拡張され、現在の姿へと変貌を遂げました。1968年には、長年親しまれてきた路面電車が廃止され、青山通りは自動車専用の道路となりました。

青山通りは、その歴史の中で、江戸時代の街道から現代の都市幹線道路へと、大きく姿を変えてきました。そして、その沿道は常に時代の先端を行く商業施設や文化施設、緑豊かな空間によって彩られ、今もなお、東京を代表する魅力的な通りとして多くの人々に親しまれています。

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