東京-ソウル-バンコック 実録麻薬地帯

『東京-ソウル-バンコック 実録麻薬地帯』

『東京-ソウル-バンコック 実録麻薬地帯』は、1972年に公開された日本・香港・タイ・韓国の共同制作によるアクション映画である。この作品は、主演を千葉真一が務め、監督は中島貞夫が担当した。製作には東映を始め、タイのタイブリン社や韓国映画人協會が関与しており、映像はカラー・シネマスコープで104分の長さを持つ。映画は「三悪追放キャンペーン」を行っていた菅原通済の実体験を基にしており、四か国の映画スターが共演する国際スケールのアクション大作となっている。

概要と制作背景

本作は、菅原通済が主宰する三悪追放協会の支援を受け、日本からは千葉真一が主人公和田達也として主演し、敵役を松方弘樹が演じる。香港からは苗可秀、タイ王国からチャイヤ・スリヤンが配役され、韓国からは金昌淑が参加している。作品は、クエンティン・タランティーノが脚本を執筆したアメリカ映画『トゥルー・ロマンス』にもそのポスターが登場するなど、影響を与えた。

撮影は、日本以外のロケーションとして韓国の釜山・慶州・ソウル、香港、タイのバンコック・スコータイ・チェンマイなど、実に90%が海外で行われたことが特筆される。このような準備は通常よりも長く、製作には2か月の準備期間と3か月の撮影期間がかけられた。さまざまな文化やロケーションが取り入れることで、リアルさが増した作品となっている。

ストーリー展開

物語は、日本からフェリーで韓国の釜山に到着したダンプカーの運転手・和田達也が、妹朋子とその夫吉岡竜次を自動車事故で失うところから始まる。遺骨を引き取りに来た達也だが、事故の真相に疑念を抱き、独自の調査を開始する。彼が調査を進める中で、謎の組織に命を狙われることになる。達也は釜山から慶州、ソウル、香港と旅を続け、最終的にはバンコック、スコータイ、チェンマイへと向かう。

各地で出会う人々の助けを借りながら、達也は真実に迫る道のりを辿っていく。命を懸けた行動が繰り広げられる中、緊迫感のある展開が続き、視聴者は達也がどのように謎を解明していくのかを見守ることになる。

興行と評価

本作は1972年に香港で、1973年には日本で公開された。特に香港では千葉真一と苗可秀のラブシーンが収録されるなど、日本・韓国・香港・タイで異なるバージョンが公開された。キャストの演技に関し、千葉は苗可秀を「大人しくて可愛い女性」と賞賛している。映画の初期のタイトルは『東京-ソウル-バンコック 追跡三万キロ』であったが、後に現在のタイトルに変更された。

この映画は、アクション作品としての迫力と、異文化交流の要素を併せ持つ非常に興味深い作品であり、今なお多くのファンに支持され続けている。

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