東北人民自治軍

東北人民自治軍の概要

東北人民自治軍（とうほく-じんみん-じちぐん）は、中国共産党が国共内戦の準備を目的に1945年に編成した軍事組織です。この軍隊は、八路軍や新四軍の一部、また現地で活動する東北抗日連軍から構成されており、後に1945年11月14日に東北民主連軍に改称されました。

成立の背景

1945年8月8日、ソビエト連邦は日本に宣戦布告し、満州国に対して全面的な侵攻を開始しました。この際、八路軍冀熱遼軍区は中共中央の指示を受けて、一部の兵力を東北に派遣し、現地の東北抗日連軍と連携してソ連軍の軍事行動を支援しました。

対日戦勝後、国民党の蔣介石政権はアメリカの支援を受け、東北部に大規模な軍隊を展開しようとしました。これに対抗するため、中共中央は「北へ拡大、南を防衛する」という戦略を打ち出し、各解放区から部隊や幹部を東北に向けて派遣しました。これは、共産党勢力の育成と国民党の進行を抑える狙いがありました。

東北に派遣された部隊には、八路軍の第1師から第7師までの部隊や、新四軍第3師に加え、陝甘寧辺区からも部隊が含まれていました。推定で11万人の兵力が集結し、その後さらに追加の2万人が派遣されました。

指揮体制の確立

1945年10月31日、東北人民自治軍が正式に編成され、以下の指揮官が任命されました。

• - 総司令: 林彪
• - 第一政治委員: 彭真
• - 第二政治委員: 羅栄桓
• - 第一副司令: 呂正操
• - 第二副司令: 李運昌
• - 第三副司令: 周保中
• - 第四副司令兼参謀長: 蕭勁光
• - 副政治委員: 程子華
• - 第二参謀長: 伍修権
• - 政治部主任: 陳正人

活動内容

東北人民自治軍は、早速国民党軍からの侵攻を阻止し、民間人の動員を図る活動に取り掛かりました。彼らは土匪の排除をはかり、組織の整備と装備の充実を目指して努めました。1945年末には、錦熱、遼寧、遼東、遼西、遼北、吉林、松江、三江、嫩江、北安の10個軍区が設置され、兵力は約27万人に達しました。

軍の改称

東北人民自治軍は、その後1945年11月14日に東北民主連軍に改名され、国共内戦における共産党の軍事活動の一環として重要な役割を果たしました。

関連項目

• - 東北民主連軍
• - 東北人民解放軍
• - 中国人民解放軍第4野戦軍
• - 東北抗日連軍
• - 林彪
• - ソ連対日参戦

このように、東北人民自治軍は中国の歴史の中で特に重要な軍事組織の一つであり、その活動は後の中国共産党の勝利に大きく寄与することとなります。

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