東区 (浜松市)

浜松市東区（2007年-2023年）

浜松市東区は、かつて浜松市を構成した7つの行政区の一つで、市の東部、天竜川西岸を区域としていました。2024年1月1日に区の統合・再編が行われ、全域が中央区へ移行し、その歴史に幕を閉じました。

概要

東区は、2010年の国勢調査で12万6,595人の人口を擁し、中区に次ぐ規模でした。これは、郊外に位置し、半田山や有玉台などの新興住宅地が多かったことが要因です。2015年時点での平均年齢は全体で43.94歳、男性42.60歳、女性45.28歳でした。

地理

東区は、和田、蒲、積志、長上、笠井、中ノ町の6つの地区で構成されていました。区内は積志地区を除き、ほとんどが平坦な地形でした。中区、南区、北区、浜北区、磐田市と隣接していました。

地区構成

和田・蒲地区: 中区に隣接し、住宅が密集。国道152号沿いは「自動車街」として知られます。
積志地区: 遠州鉄道西鹿島線沿いに位置し、住宅地が多い。新興住宅地も点在します。
長上地区: かつて繊維工場が多かったが、商業施設に転換。イオンモール浜松市野が中心的な商業施設です。
笠井地区: 古くは綿花の集積地として栄え、笠井街道沿いに商店や住宅が密集。
中ノ町地区: 天竜川西岸に位置し、古い住宅が多い地域です。

歴史

東区は、明治時代の町村制施行を経て、昭和時代に浜松市への編入が進み、2007年の政令指定都市移行に伴い誕生しました。しかし、2024年の行政区再編により、中央区の一部となりました。

行政区域の沿革

1889年：町村制施行により、有玉村、万斛村、笠井村などが発足。
1891年：万斛村が中郡村に、橋田村が和田村に改称。笠井村が町制施行。
1896年：各町村が浜名郡の所属となる。
1908年：有玉村などが合併し積志村が発足。
1927年：天王村と市野村が合併し長上村が発足。
1939年：蒲村が浜松市に編入。
1951年：豊西村と笠井町が合併。
1954年：笠井町などが浜松市に編入。
1957年：積志村が浜松市に編入。
2007年：浜松市の政令指定都市移行に伴い東区が発足。
2024年：浜松市の行政区再編により中央区の一部となり、東区廃止。

政治

東区役所は浜松市産業展示館の隣に設置されていました。初代区長は安間雄一氏、後に鈴木将司氏が就任しました。

経済

農業ではイチゴが特産品であり、工業では浜松ホトニクスなどの企業が拠点を置いていました。商業施設としては、イオンモール浜松市野などが主要な存在でした。

産業

農業: イチゴ
工業: 浜松ホトニクス本社工場、ヤマハファインテック、ローム浜松
商業: イオンモール浜松市野、遠鉄ストアなど

教育

区内には、浜松医科大学をはじめ、静岡県厚生連看護専門学校、浜松東高等学校などの教育機関がありました。

交通

鉄道は、東海道本線（天竜川駅）や遠州鉄道鉄道線が区内を通過していました。バスは遠州鉄道バスが運行し、道路は東名高速道路（浜松IC）や国道1号、国道152号などが利用されていました。

観光

笠井城跡や多数の寺社、安間川公園などの観光スポットがありました。天王花火大会や中野町花火大会などの祭事も開催されていました。

名所・旧跡

笠井城
榮泉寺、圓通寺、寿量寺など多数の寺院
赤宮神社、厳島神社など多数の神社

観光スポット

天竜川
浜松市産業展示館
安間川公園

祭事・催事

天王花火大会
* 中野町花火大会

出身有名人

金原明善（実業家）、高柳健次郎（テレビ開発者）、筧利夫（俳優）など、多くの著名人を輩出しています。

脚注

(注釈、参照、関連項目は省略)

東区は、浜松市の発展に寄与した重要な地域であり、その歴史と文化は中央区に引き継がれています。

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