東千葉メディカルセンター

東千葉メディカルセンター

東千葉メディカルセンター（ひがしちばメディカルセンター）は、千葉県東金市に位置する中核的な医療機関です。地方独立行政法人東金九十九里地域医療センターが運営を担い、山武夷隅長生保健医療圏における地域医療の中核を担っています。

機能と役割

この病院は、地域の救急医療体制において極めて重要な役割を果たしており、山武夷隅長生保健医療圏の救命救急センターに指定されています。また、災害発生時には地域の医療拠点となる災害拠点病院としての機能も有しています。これにより、年間を通じて24時間体制で緊急性の高い患者を受け入れるとともに、平日には様々な分野で高度な専門医療を提供しています。その役割の広がりを示すように、保険医療機関、生活保護法医療機関、労災保険指定医療機関など、多数の公的医療機関指定を受けています。さらに、臨床研修指定病院として医療従事者の育成にも携わっており、特定の疾患や医療分野に関する専門的な認定も数多く取得しています。

現在の病床数は314床であり、集中治療室（ICU）、ハイケアユニット（HCU）に加え、脳卒中ケアユニット（SCU）なども備え、高度な急性期医療に対応する体制を整えています。

沿革

東千葉メディカルセンターの歴史は、救命救急センターを持つ中核病院として2010年10月1日に設立構想が始まったことに端を発します。現在の東金市丘山台の地に開院したのは2014年4月1日であり、この時に災害拠点病院、DMAT指定医療機関、保険医療機関の指定も同時に受け、地域医療の中核を担う体制が本格的にスタートしました。開院以来、診療科や病床数の拡充が段階的に進められ、代謝・内分泌内科や形成外科、歯科口腔外科などが加わり、ICU、HCU、SCUといった高度急性期医療に対応する病床も整備されていきました。2018年にはDPC対象病院および地域医療支援病院の許可を受けるなど、機能強化が進められています。一方で、病院運営に関する課題も生じており、2016年には職員との労働問題、2020年には内部告発による運営上の課題が表面化し、運営主体からの是正命令も受けました。しかし、医療提供体制の拡充は継続され、2021年には内科専門プログラム連携病院に指定されるなど、教育・研究面での取り組みも進められています。

施設とアクセス

病院施設は、地上6階・地下1階建ての免震構造を持つ本棟を中心に構成されています。敷地内には医師や看護師のための宿舎、職員用の保育所も完備されており、医療従事者が安心して働ける環境整備が進められています。また、緊急時や広域からの患者搬送に対応するため、ヘリポートも備えられています。

公共交通機関を利用する場合、JR東金駅やJR大網駅からタクシーを利用するのが一般的です。ちばフラワーバスの路線バスも停車します。自動車でのアクセスも良好で、首都圏中央連絡自動車道や千葉東金道路の東金インターチェンジから比較的近い距離にあります。広大な駐車場（740台分）も用意されており、自家用車での来院にも対応しています。

ロケ地としての利用

東千葉メディカルセンターは、そのモダンな建物構造や立地環境から、テレビドラマや映画のロケーション撮影場所としても数多く利用されています。吹き抜けの広々としたロビーなどが特徴的で、『白い巨塔』、『ブラックペアン』、『ドクターX』、『コウノドリ』、『人魚の眠る家』など、多くの人気作品で架空の病院や医療施設として登場しており、映像作品における存在感も有しています。

不祥事

しかしながら、近年、病院運営に関する複数の深刻な不祥事が明らかになっています。2022年末から2023年にかけて、医療機器納入や医療事務業務委託、医療機器入札などを巡り、業者から賄賂を受け取ったとして、元臨床工学技士長や元総務課長、元財務課用度係長、元医事課長代行といった複数の元職員が収賄容疑で逮捕され、有罪判決を受けています。これらの事件は、病院の信頼性を損なう事態となりました。

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