東半球

東半球（ひがしはんきゅう）

定義

東半球とは、地球を二つの半球に分ける際の地理学的な区分の一つです。具体的には、イギリスのグリニッジ天文台を通る本初子午線（経度0度）を基準とし、そこから東向きに地球を半周した東経180度線までの範囲を指します。この経線によって地球は東西に分けられ、東半球の反対側は西半球と呼ばれます。この区分は、地球上の特定の場所がどの半球に属するかを示す基本的な概念として広く用いられています。

地理的な範囲

東半球には、非常に広範囲にわたる陸地と海洋が含まれています。主要な大陸としては、アジア大陸とヨーロッパ大陸からなる広大なユーラシア大陸の大部分がこの半球に位置します。ただし、ユーラシア大陸の最西端にあたる地域（例えばイベリア半島の一部）や、シベリアの最東端の一部は西半球にかかります。アフリカ大陸も大部分が東半球に属しますが、その最西端の地域は西半球に含まれます。オーストラリア大陸は全域が東半球に位置しています。また、南極大陸についても、東側にあたる東南極が東半球に含まれます。海洋に関しては、広大なインド洋全体が東半球に位置し、太平洋の西部（アジアやオーストラリア大陸に面した側）や大西洋の東側部分（ヨーロッパやアフリカ大陸に面した側）もこの半球に属します。これらの地域には、世界の人口の大部分が集中しており、多様な気候、地形、文化が見られます。

経度の表示

東半球内にある地点の経度を示す際は、「東経」（East longitude）が使用されます。これは、本初子午線から東向きに測った角度であり、0度から180度までの値で表されます。例えば、日本の多くの地域は東経120度から145度の間に位置しています。西半球では、本初子午線から西向きに測った「西経」（West longitude）が用いられるのと対照的です。

英語における用法

英語では、東半球は通常「eastern hemisphere」と小文字で表記されます。しかし、頭文字を大文字にして「Eastern Hemisphere」と表記される場合、これは地理的な半球区分とはやや異なる意味で使われることがあります。この大文字表記の「Eastern Hemisphere」は、しばしば「旧世界」とほぼ同義として用いられ、具体的にはユーラシア大陸、アフリカ大陸、そしてオセアニア（オーストラリア大陸とその周辺の島々）を指すのが一般的です。これは、「Western Hemisphere」（西半球）が、厳密な地理的定義を超えて、南北アメリカ大陸とその周辺地域、すなわち「新世界」を指す用法に対応しています。したがって、英語の文献などでこれらの表現を目にする際には、文脈によって指されている範囲が純粋な地理的な半球区分なのか、あるいは歴史的・文化的な区分（旧世界対新世界）に基づいているのかを区別することが重要です。

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