東園基文

東園基文

東園基文（ひがしその もとふみ）は、1911年（明治44年）1月28日に生まれ、2007年（平成19年）4月12日に亡くなった日本の華族であり、宮内官僚です。東園家14代当主として、その生涯を日本の歴史と共に歩みました。初名は伊達宗文といい、伊達邦宗伯爵の三男として宮城県仙台市に誕生しました。

生い立ちと学歴

学習院を経て北海道帝国大学農学部に進学。大学時代は馬術部に所属し、その才能を発揮しました。1931年には、第3回全日本学生馬術選手権大会で優勝し、さらに馬術部の主将も務めるなど、文武両道に秀でた人物でした。

華族としての道

1934年（昭和9年）に大学を卒業後、東宮傅育官に任官。同年には大日本帝国陸軍騎兵少尉にも任官しました。その後、1940年には皇后宮事務官に就任し、皇室を支える重要な役割を担いました。終戦後の1947年には、宮内府事務官兼侍従兼東宮侍従となり、引き続き皇室に尽力しました。

宮内庁での活躍

1977年からは、宮内庁掌典長として、即位の礼や大嘗祭といった重要な儀式を取り仕切りました。また、明仁上皇や常陸宮正仁親王への馬術指導も行っており、その多才ぶりを示しています。1982年には、長年の功績が認められ、従三位勲二等瑞宝章を受章しました。

神社本庁での活動

1998年には、神社本庁統理、伊勢神宮崇敬会会長に就任。2001年には神社本庁顧問となり、日本の伝統文化の継承にも尽力しました。

晩年と死

2007年（平成19年）4月12日、肺炎のため東京都目黒区内の病院で逝去。同年5月18日に青山葬儀所で葬儀が執り行われ、常陸宮正仁親王、正仁親王妃華子、島津久永、島津貴子らが参列しました。

死後の顕彰

2008年（平成20年）1月19日、日本[[馬術連盟]]よりその功績を称えられ、同連盟功労者に選出、功労者賞が追贈されました。この賞は、同年2月26日に長男の東園基政氏によって、東園基文がかつて所属していた北海道大学馬術部へ寄贈されました。

系譜

東園基文の妻は佐和子女王であり、彼女は明治天皇の第七皇女・房子内親王を母に持ちます。そのため、東園基文の子供たちは明治天皇の曾孫にあたります。

長男：東園基政（1938年生） - いすゞ自動車入社後、いすゞセラミックス研究所社長を経て、学校法人学習院常務理事、学習院桜友会会長などを歴任。
長女：岩瀬陽子 - 岩瀬敬一朗夫人
次男：東園基宏（1942年生） - 全日本空輸入社後、全日空商事代表取締役副社長を経て、ハウステンボス社長に就任。
三男：東園基治（1944年生） - いすゞ海外商品企画部長を経て、ワイズセラピューティクスのCOOに就任。
次女：川﨑里子 - 川﨑文一郎夫人

参考文献

『平成新修旧[[華族家系大成]]：上巻』霞会館編、吉川弘文館、1996年。
『平成新修旧[[華族家系大成]]：下巻』霞会館編、吉川弘文館、1996年。
官報『官報』第2318号、1934年9月20日。

東園基文は、華族、宮内官僚、そして馬術家として、多岐にわたる分野で活躍しました。その生涯は、日本の近現代史を語る上で、重要な一頁となっています。

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