東大寺大仏殿

東大寺大仏殿について

東大寺大仏殿（とうだいじだいぶつでん）は、奈良県奈良市に位置する東大寺内の仏堂で、日本の国宝として認められています。この建物は、東大寺の本尊である盧舎那仏坐像、いわゆる奈良の大仏を安置するために造られました。正式名称は東大寺金堂ですが、広く「大仏殿」と呼ばれています。また、東大寺の公式ウェブサイトでも「大仏殿」という用語が頻繁に使われています。

概要

大仏殿は東大寺の伽藍の中心に位置し、境内で最も大きな建物です。現在の大仏殿は1970年に完成したもので、正面の幅は57.5m、奥行きは50.5m、高さは49.1mです。これらの寸法は、創建当初と比較して大きな変化がない一方で、幅は約3分の2に縮小されています。創建当初の大仏殿は幅約86m、奥行き17丈、高さ約37mであり、柱は84本もありました。正面には国宝に指定されている金銅八角燈籠が設置されています。

かつては世界最大の木造建築として知られていましたが、近年の土木技術の進歩により、他の大規模な木造建築も現れています。ただし、伝統的な木造軸組建築の範疇においては、未だに世界一の規模とされています。類似の建物として方広寺大仏殿も存在しましたが、内部が焼失し、豊臣家により再建されました。興味深いことに、江戸時代の国学者である本居宣長は、東大寺と方広寺の大仏に関する感想を残しており、見劣りする部分と優れている点を比較しています。

歴史

最初の大仏殿は、758年に完成しましたが、1181年に平重衡の軍の攻撃により焼失しました。その後、1185年には大仏の開眼供養が行われ、1190年に再建が果たされました。しかし、1567年には再度の火災に見舞われ、その後も仮の仏堂が設置されましたが、1610年の暴風で倒壊しました。

豊臣秀吉は新たな大仏として、京都に方広寺大仏を造営しましたが、東大寺大仏の再建にはついに手をつけませんでした。1684年からは公慶上人が再建に向けた勧進活動を始め、1691年には大仏の修復が完了しました。再建は1709年に果たされ、現在の大仏殿が完成しました。現存の大仏殿は、高さと奥行きにおいて創建時代とほぼ同じですが、間口は約3分の2に縮小されています。この時代の建築技術は、方広寺大仏殿の意匠に影響されているとの見解もあります。

現代の修復とイベント

大仏殿は1879年から1915年にかけて、重量制限から修理が行われました。また1973年から1980年にかけては、最新の技術を利用してさらなる修復が施されました。1994年には、UNESCOの呼びかけにより「The Great Music Experience」という特別なライブイベントが開催され、国内外の著名なミュージシャンが集結しました。

このように、東大寺大仏殿は歴史的、文化的な価値を持つだけでなく、現代においても多くの人々に親しまれています。

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