東宝ニューフェイス

東宝ニューフェイス

概要

東宝ニューフェイスは、日本の映画会社・東宝が戦後に設立した俳優オーディションで、その開催は1946年から1968年まで続きました。このオーディションは、新しい才能を発掘し、映画やテレビドラマ、演劇の舞台で活躍する新人俳優を募集するものでした。初回のオーディションは1946年6月3日に行われ、三船敏郎や久我美子など、数々の名優を輩出しました。

東宝の演技研究所で研修を受けた後、映画やドラマに出演する機会が与えられましたが、研修を完了する前にデビューする例も少なくありませんでした。たとえば、宝田明は研修中に『ゴジラ』の主演に抜擢され、仲間にその嬉しい報告をしたと言われています。

1950年代に入ると、他の映画会社も同様のオーディションを開始し、東宝ニューフェイスは再び注目を集めることになります。これにより、映画業界全体が活性化し、新たな才能の発見が促進されたのです。オーディションは1968年度の第8期まで続き、以降は「オール東宝ニュータレント」に引き継がれます。この名称のもとで1961年から1968年まで新たなタレントが選ばれました。

若手俳優の登竜門

このオーディションは、全体で約48名もの俳優を抱える第一期から始まり、以降も数十名の若手俳優が各期ごとに選ばれました。特に初期には、堺左千夫、友坂四郎、河合健児、岸旗江、日高あかりなど、後に映画界で活躍する著名な俳優たちが名を連ねていました。

さらに、第二期以降も杉葉子や塩沢とき、黒部進、黒沢年男など、名だたる俳優が誕生しました。これらの俳優は、後の日本映画の発展に大きな影響を与えることとなります。

現在への流れ

オーディションは1968年の第8期で終了しましたが、その後も新たなオーディション形式が模索され続けました。2022年には、男性タレントオーディションとして「TOHO NEW FACE」が開催され、従来の伝統を引き継ぎながら新たな才能を発掘する試みが続けられています。この新しい取り組みは、映画だけでなくミュージカルなどの多様な舞台に挑戦する機会を与えています。

まとめ

東宝ニューフェイスは、日本における俳優オーディションの歴史の中でも特に重要な位置を占めており、多くのスターを生み出してきた文化的なプログラムです。映画界の人材発掘を通じて、現在も新しい才能が次々と登場する基盤を築いてきたと言えるでしょう。

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