東寺真言宗

東寺真言宗について

東寺真言宗（とうじしんごんしゅう）は、日本における真言系仏教の一つとして存在しており、特に古義真言宗に位置しています。この宗派の総本山は、教王護国寺（東寺）で、宗祖は著名な僧侶・空海（弘法大師）です。真言宗には他にも東寺派などが存在し、それぞれ異なる教義や体制を持っています。

宗紋と寺格

東寺真言宗の宗紋は雲形（東寺雲）であり、これはこの宗派の特有のシンボルとして用いられています。寺格については、教王護国寺をはじめとした多くの寺院がその体系の中で位置づけられており、以下のようなランクが存在します：

• - 総本山：教王護国寺（東寺）
• - 大本山：石山寺
• - 別格本山：観智院、雲照寺、大龍寺、法興寺、清瀧寺
• - 準別格本山：宝菩提院、大日寺、西代寺、了徳院

また、宗派内には中本寺、小本寺、孫末寺等もあり、様々な寺院が組織を成しています。

歴史の沿革

この宗派の歴史は、教王護国寺の開創から始まります。弘仁14年（823年）には、嵯峨天皇より空海が教王護国寺を下賜され、これが真言密教の本道場となります。その後、江戸時代まで教王護国寺は真言宗の中でも重要な役割を果たしていきます。

明治時代に入ると、政府の宗教政策の影響を受け、真言宗は古義派と新義派が合併し、1879年には教王護国寺がその総本山として位置づけられました。しかし、同時に内部分裂が起こり、多くの寺院が離脱していきました。1901年には、教王護国寺は他の真言宗の派とともに四派聯合を形成するものの、1907年には独立した真言宗東寺派としての道を歩むことになります。

1941年には、政府の方針により古義と新義が再度合同し、大真言宗が成立しますが、戦後には1946年に再び真言宗東寺派として独立。1952年には宗教法人として認証を受けました。しかし1963年には教王護国寺を中心とする形で東寺真言宗が分派し、1974年にその認証が完了しました。

宗務組織と僧階

今日の東寺真言宗は、管長を中心とした組織形態を取っています。管長は教王護国寺の長者でもあり、宗議会や様々な委員会が設けられています。また、信者と僧侶の階級があり、役割ごとに「大僧正」から「権律師」までの13段階の位があります。

年中行事と活動

東寺真言宗では、様々な年中行事が行われており、初詣や修正会、春季彼岸会などがあります。特に、教王護国寺の境内では、五重塔の初層の公開や厄除け護符の授与といった伝統的な行事も含まれています。また、毎月数回の法会や、関連組織として青年会や布教師会が設立され、支援活動や教育活動も行われています。

教義と教育機関

教義としては、古義真言宗の教えに基づいており、空海の思想を継承しています。さらに、教王護国寺内には東寺伝法学院があり、信者教育に力を入れています。種智院大学や洛南高等学校などとの共同経営も行い、教育にも重点が置かれています。

これらの活動を通じて、東寺真言宗は日本の仏教界で重要な存在となっているのです。

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