東小平駅

東小平駅について

東小平駅（ひがしこだいらえき）は、東京都小平市の天神町二丁目にあった西武鉄道新宿線の廃駅です。この駅は1940年から1954年までの短い期間だけ運営されていました。駅の存在期間が限られていたため、歴史的な資料は非常に少なく、地形図にも正式な駅として掲載されることはありませんでした。それでも、いくつかの重要な事実が報告されています。

駅の所在地と周辺の状況

東小平駅は新宿線が青梅街道を横切る場所の南東側に位置していました。この地域には公立昭和病院があり、1928年に開設された際から駅の設置が期待されていました。病院側は駅の建設のために、ホームの盛土を病院の敷地から無償で提供するなど、協力を惜しまなかったとされています。

旅客と貨物の取り扱い

駅は旅客用のホームに加えて、後に本川越方面に向けた貨物側線も整備されました。特筆すべきは、戦時中および終戦直後に東京都が依頼していた糞尿の輸送です。この糞尿は多摩地域の農村部で肥料として使用されるために運ばれ、1944年には貯溜駅として稼働し始めました。糞尿は専用の貨車で到着し、線路下の貯溜槽に落とされ、近隣の農家がリヤカーで受け取りに来るという光景が見られました。

歴史の変遷

• - 1940年4月23日：東小平駅として旅客駅が開業。
• - 1944年6月10日：東京都の要請で糞尿輸送貯溜駅に指定。
• - 1945年9月22日：西武鉄道が武蔵野鉄道に併合され、新たな運営会社となる。
• - 1946年11月15日：西武農業鉄道として改称。
• - 1953年3月31日：糞尿輸送が停止されて貨物営業を廃止。
• - 1954年10月10日：隣の小平駅に統合され、廃駅となる。

現在の状況

東小平駅が廃駅になってから約半世紀が経過し、周辺は大きく変わり果てました。元々の田園風景は宅地に変わり、駅の痕跡はほとんど残されていません。しかし、かつての駅があった場所には不自然な形の空き地が残っており、これは駅の旧ホームや貨物側線の跡と考えられています。

また、1990年前後には、住民による東小平駅復活を求める署名活動も行われるなど、駅の復活を望む声が地域で上がっていました。主な理由は公立昭和病院へのアクセスの向上が期待されたためです。

参考文献

この駅やその歴史に関する詳細な情報は、今尾恵介監修の『日本鉄道旅行地図帳』や、小平市の年史などから得ることができます。また、国土地理院の提供する過去の地図や空中写真閲覧サービスを利用することで、東小平駅の位置や周辺の状況を確認することも可能です。

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