東川崎町

神戸市中央区東川崎町：歴史と近代が交差する街

神戸市中央区東川崎町は、兵庫県神戸市中央区を構成する町名の一つです。古くは兵庫津の一部として栄え、江戸時代には湊川と宇治川の間の川尻に位置する「兵庫津北浜」の一町として誕生しました。明治中期から昭和6年（1931年）までは「兵庫東川崎町」という名称で知られていました。現在では東川崎町一丁目から七丁目までが行政地名として定められています。郵便番号は〒650-0044です。

東川崎町は、歴史的にも重要な位置を占めています。かつては、客貨分離以前の神戸駅と湊川駅（国鉄）が置かれており、鉄道交通の要衝でした。これらの駅が廃止された後は、跡地は再開発され、現在では神戸ハーバーランドとして知られる賑やかな商業・レクリエーションエリアへと生まれ変わっています。神戸ハーバーランドには、神戸クリスタルタワーをはじめ、多くの商業施設やホテルなどが集積し、神戸の新たなランドマークとなっています。

東川崎町には、川崎重工業の神戸本社および神戸工場が立地しています。そのため、岐阜県各務原市、兵庫県明石市、香川県坂出市にある川崎重工業の各工場の所在地に「川崎町」という町名があることから、東川崎町も同社に由来する町名だと誤解されることもありますが、これは全くの偶然です。東川崎町という地名は、湊川の東側の川尻（川崎）を指す名称であり、川崎重工業の設立以前から存在していました。また、兵庫津の北側の入江（佐比ノ入江）付近には、東川崎町よりも先に誕生した川崎町（現在の兵庫区七宮町・兵庫町の各一部）が存在しており、こちらも川崎重工業とは関係ありません。

東川崎町には、企業の拠点だけでなく、行政機関も多数立地しています。厚生労働省兵庫労働局や兵庫県庁神戸ハーバーランド庁舎などがその例です。その他にも、ハウジング・デザイン・センター神戸（HDC神戸）、神戸駅前JUSTスクエア、サンテレビジョン本社・演奏所、神戸ホテルジュラクといった施設があり、多様な機能が集積したエリアとなっています。教育施設としては、神戸市立湊小学校や神戸市立摩耶兵庫高等学校などが町内にあります。

このように、東川崎町は、歴史的な港町としての側面と、近代的な産業・商業拠点としての側面を併せ持つ、非常に多様な顔を持つ地域です。再開発によって新たな魅力を生み出しながらも、歴史的な背景をしっかりと受け継いでいる、神戸市を代表するエリアの一つと言えるでしょう。

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