東急7000系電車 (2代)

東急7000系電車

東急7000系電車は、2007年12月25日に営業運転を開始した東急電鉄の通勤形電車です。7000系を名乗る系列としては2代目にあたるため、「新7000系」と呼ばれることもあります。

概要

池上線・東急多摩川線の7700系および1000N'系の置き換え用として、5000系列（6次車）をベースに設計・開発されました。当初の計画では、2011年度までに3両編成17本（51両）を導入し、7700系を全廃する予定でしたが、東京メトロ日比谷線との相互直通運転終了に伴い、東横線用の1000系を改造した1000系1500番台を池上線・多摩川線に投入することになったため、増備は一旦中止されました。

その後、2017年度と2018年度に追加投入が行われ、現在は3両編成15本（45両）が活躍しています。

車両概説

車体

5000系列と共通の部材を使用したオールステンレス製です。車体構造は18m級・片側3扉で、前面形状は非常用貫通扉を運転室から見て右側にオフセット配置した流線型を採用しています。車体塗装は無塗装の外板に緑の濃淡のデザインが施されており、屋根部分の絶縁体塗装も緑色とされています。床面の高さはレール面から1,130mmで、プラットホームとの段差を縮小しています。

内装

「居心地の良い空間の提供」をコンセプトに、木目調のカラースキームが採用されています。座席はロングシートが基本ですが、中間車の車端部にはボックス式クロスシートが設置されています。つり革はユニバーサルデザインとして、高さの異なるものが設置され、荷棚の位置も低くするなど、利用者に配慮した設計となっています。客室側窓は熱線吸収および紫外線・赤外線カットガラスを採用し、巻き上げカーテンは省略されています。

客用ドアは5000系6次車と同一仕様で、室内側は化粧板仕上げとされ、窓ガラスは複層構造が採用されています。ドア開閉時にはチャイムが鳴動し、開閉時に赤く点滅するドア開閉表示灯が取り付けられています。

客用ドア上部には15インチ液晶ディスプレイが2基設置され、停車駅や乗り換え案内、運行情報などを表示します。また、池上線と東急多摩川線はワンマン運転を行っており、発車合図用のベルは東急の駅で使用されているものと同じものが使用されています。

走行機器

5000系列と同様に、主要機器の二重化が図られています。主制御器と補助電源装置が一体化されており、冗長性を確保しています。主回路側は低損失トレンチIGBT素子によるVVVFインバータ制御で、回生ブレーキおよび全電気ブレーキ機能を有します。

電動機は3000系・5000系列と同一の190kWかご形三相誘導電動機で、歯車比も同一です。池上・多摩川線での運用を考慮し、粘着性能確保の観点から2M1Tで構成されています。

ブレーキシステムは回生併用電気指令空気式で、遅れ込め制御を有します。台車は軸梁式軸箱支持ボルスタレス台車で、基礎ブレーキ装置は片押し式ユニットブレーキです。

パンタグラフはシングルアーム式で、空気圧縮機は騒音低減を図ったスクロール式です。保安装置は東急形ATS・TASCを搭載していますが、長津田車両工場への入場時にはATC区間を経由する必要があるため、ATC車上装置も搭載しています。

導入後の変遷

2014年度に既存全編成の前照灯・室内灯がLED化されました。2019年頃より、車内の防犯カメラ設置が行われています。仕様変更としては、貫通扉の取っ手形状や鴨居部のカバー形状の変更、車体外板の表面仕上げの変更、車内荷物棚の変更、車内案内表示器のLCDの大型化、防犯カメラの設置、側引戸の化粧板素材の変更などが行われています。

その他

過去には、営業運転開始時に記念ステッカーが掲出されたり、「多摩川アートラインプロジェクト'08」貸切列車として運行されたり、こどもの国線に臨時列車として入線したこともあります。また、クラブツーリズム主催のツアーで、長津田車両工場への見学列車として運行されたこともあります。

東急7000系電車は、池上線・東急多摩川線の主力車両として、地域輸送に貢献しています。

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