東映ニューフェイス

東映ニューフェイス：日本映画史を彩るスターたちの登竜門

1950年代から1960年代にかけて、東映株式会社が開催していた俳優オーディション『東映ニューフェイス』。このオーディションは、日本映画界に多大なる貢献を果たし、数々のスター俳優を世に送り出したことで知られています。高倉健や千葉真一といった、現在もなおその名を記憶される世界的俳優も、このオーディション出身者なのです。

オーディションの概要と選考過程

1953年に第1回を開催して以降、不定期に開催された『東映ニューフェイス』。応募者はまずオーディションを受け、合格者には俳優座の演技研究所で6ヶ月間の研修が提供されました。研修では、演技の基本から、表現力、舞台上での所作など、俳優としての基礎を徹底的に学ぶことができました。

研修後、本人の希望や東映の意向を考慮して、東映東京撮影所または東映京都撮影所のいずれかに配属。配属後は、エキストラ出演などの経験を積む6ヶ月の修行期間を経て、1年間の研修が修了となります。

しかし、研修期間中にデビューする者も少なくありませんでした。高倉健や千葉真一などは、研修期間中の1年以内に早くもデビューし、更には主演に抜擢されるという、めざましい活躍を見せたのです。

当時の日本映画界は、五社協定によって大きな枠組みが形成されており、東宝、松竹、大映、日活など、多くの映画会社が同様のニューフェイスオーディションを実施していました。東映ニューフェイスも、その中で大きな役割を果たしたと言えるでしょう。1969年に開催された第13期をもって、東映ニューフェイスは幕を閉じました。

輝けるスターたち：東映ニューフェイス出身者

東映ニューフェイスから巣立った俳優たちは、日本映画界、ひいては世界に大きな影響を与えました。ここでは、その一部を紹介します。

1950年代
1955年（第2期）：高倉健、千葉真一
1956年（第3期）：里見浩太朗
1957年（第4期）：佐久間良子、山城新伍
1958年（第5期）：梅宮辰夫

1960年代
1959年（第6期）：千葉真一（6名もの男性合格者の中から女性14名という中、トップの成績で合格）
1960年（第7期）：宮園純子
1961年（第8期）：坂口祐三郎
1962年（第10期）：小林稔侍
1963年（第11期）：堀田真三
1968年（第12期）：宮内洋
* 1969年（第13期）：片桐竜次

これら以外にも、多くの俳優たちが東映ニューフェイスから羽ばたき、日本映画界を支え、発展させてきました。彼らが築き上げた功績は、今なお私たちの記憶に刻まれています。

終わりに

『東映ニューフェイス』は、単なるオーディションを超えた、日本映画史における重要な制度でした。多くのスターを輩出しただけでなく、日本の映画界全体の活性化に貢献したと言えるでしょう。このオーディションから生まれた数々の名優たちの活躍は、これからも多くの人々を魅了し続けることでしょう。東映ニューフェイスの系譜は、日本の映画界の宝として、未来へと受け継がれていくに違いありません。

もう一度検索