東武ED5060形電気機関車

東武ED5060形電気機関車

東武ED5060形電気機関車は、1960年から1966年にかけて東芝で製造された、かつて東武鉄道が保有していた電気機関車シリーズです。この形式は、ED5061からED5073の計13両が製造され、当時運行されていたすべての蒸気機関車が廃車されることとなりました。その後、1971年の初めにED5061からED5065の5両が重連総括制御の機能を追加するため改造され、運用の幅が広がりました。

主に伊勢崎線、佐野線、小泉線、桐生線、日光線、会沢線、大叶線などで活躍したED5060形は、1980年代に入ると徐々に廃車が進行しました。1984年1月にED5066が廃車されてから、1997年までに残りの車両が次々と運用を終え、最終的にED5063だけが2003年9月30日まで貨物運用で使用されました。

ED5080形電気機関車

ED5080形は、1970年に新東京国際空港公団の依頼により、空港建設用の砕石輸送を目的として製造された電気機関車です。ED5081からED5083までの3両は、ED5060形と基本設計が同じですが、初めから重連運転が可能な仕様となっていました。これにより、ED5060形との連携運転も容易に行うことができました。

空港建設が進む中、1978年11月にこれらの車両は東武鉄道に編入され、ED5000形の一部を置き換える形で運用されました。2003年の貨物運用廃止までED5060形と共に使用され、その役割を果たしました。

譲渡車両

1992年にはED5069とED5070が三岐鉄道に売却されることになり、両機は整備改造を受けましたが、ED5069は需要の変化により未使用のまま解体されました。一方、ED5070は中部国際空港建設による貨物需要の増加に応じて改造され、現在も三岐線で活躍中です。さらに、ED5081とED5082も他社に譲渡され、改造を経てED5081形として再生されました。

保存状況

ED5067は宇都宮市の栃木県子ども総合科学館に保存されています。他にも、最後の運用を行っていたED5063やED5083が北館林荷扱所に留置されていましたが、2009年3月に解体されてしまいました。

主要諸元

ED5060形とED5080形は共通の主要スペックを持っています。両形式の全長は12,000 mm、全幅は2,690 mm、全高は4,055 mm、重量は45.45 tです。この電気機関車は直流1,500Vの架空電車線方式を利用し、B-Bの軸配置を採用しています。主電動機はMT40B形を4基装備し、1時間定格出力は568 kW、引張力は5,280 kgに達します。最終的な最高運転速度については明確な数値がないものの、電力伝達方式や制御方式において様々な工夫がなされています。

このように、ED5060形及びED5080形は、東武鉄道の歴史における重要な電気機関車として、多くの業務を支えてきました。

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