東海級コルベット

東海級コルベット（Donghae-class corvette）

東海級コルベットとは、韓国海軍において運用されていた哨戒戦闘艦の艦級で、計画名はHDC-800型としても知られています。1970年代にさかのぼるこの艦級の開発背景は、韓国政府が掲げた海軍の自立した防衛力の構築を目指す8か年計画に由来します。

開発の経緯

朴正煕政権は、国内の技術を駆使して艦隊を構築することを重視し、その先駆けとなるのが蔚山級フリゲートの建造でした。このフリゲートは高性能を誇り、各種先進的装備が施されていましたが、その一方で建造費が高いため、コストを抑える必要がありました。

そのため、より小型で安価な哨戒戦闘艦の導入が決まり、1979年に概念設計が始まりました。1980年には基本設計が完了し、1981年には四つの造船会社との間でそれぞれ1隻ずつ合計4隻の建造契約が交わされました。

設計概要

東海級コルベットは平甲板型の船体を採用し、3層の上部構造を有しています。安定性と速力を両立させる目的から、船体形状にはつぼ型が選ばれましたが、乾舷が低く洋上行動に控えめな性能が見られました。主機関には、ドイツのMTU製ディーゼルエンジンを2基、アメリカ製のガスタービンエンジンを1基装備し、CODOG方式で推進しています。これは、高速巡航が可能な一方で、最初の艦が進水した後には機関の振動や騒音の問題が発生し、これを改善するためにプロペラの形状変更が必要とされました。

主な装備

この艦級は砲装型のコルベットであり、ミサイル装備は搭載されていません。艦首には76mmのコンパクト砲が設置され、オランダのシグナール社製射撃指揮装置WM-28が統制役として機能します。捕捉レーダーと追尾レーダーはXバンドで作動し、目標の探知能力は優れています。また、主砲用の副方位盤には電子光学式のLIODが使用されているのが特徴です。

対空装備として、後部にはボフォース製の40mm機関砲が連装で搭載されており、旧式ながらローボディの艦にとっては防空手段として機能します。また、艦尾甲板には30mm機関砲、ソナーは米EDO社製の787型を船底に設置しています。これにより、対潜戦闘能力も保持されています。

運用史

東海級コルベットは、28隻の建造を達成し、沿海域の防衛に貢献しました。退役の進行は2010年頃から始まり、それまでの間に一隻あたり平均250回以上の任務を遂行しています。興味深いことに、艦の一隻である「安養」は退役後にコロンビア海軍に譲渡され、改装されてナリーニョとして再就役しました。このように、国際的な協力も見られる興味深い運用の歴史を持っています。

まとめ

東海級コルベットは、韓国海軍の自立した防衛力を実現するために開発された重要な艦級で、性能とコストのバランスを考慮した設計がなされています。近年の海軍力の強化においても、その教訓を生かしつつ、さらなる進化が期待されることでしょう。

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