東部軍管区 (日本軍)

東部軍管区について

東部軍管区は、1940年（昭和15年）8月に、大日本帝国陸軍の軍管区の一つとして発足しました。これは、東部軍の管轄区域であり、東部軍司令部が管区内の軍隊を指揮・統率する役割を担っていました。設立当初は、関東地方を含む東日本の防衛を主な目的としていました。

しかし、戦局の悪化に伴い、1945年（昭和20年）2月11日に、東部軍は第12方面軍へと改編されることになります。これに伴い、東部軍は廃止され、その役割は第12方面軍司令部が引き継ぎました。以降、第12方面軍司令部が東部軍管区司令部を兼ね、軍政を統括することとなりました。

司令部人事

東部軍管区の司令官は、第12方面軍司令官が兼任していました。これは、第12方面軍が東部軍管区を実質的に統括していたことを意味します。司令官、参謀長、参謀副長などの役職を兼任していた場合は、『第12方面軍司令官兼東部軍管区司令官』のように、第12方面軍の役職が本職として扱われました。

歴代司令官

藤江恵輔 大将：1945年2月1日 - 1945年3月9日（兼第12方面軍司令官）
田中静壱 大将：1945年3月9日 - 8月24日（兼第12方面軍司令官）
土肥原賢二 大将：1945年8月25日（兼第12方面軍司令官）
北野憲造 中将：1945年9月23日 - 11月30日（兼第12方面軍司令官）

歴代参謀長

辰巳栄一 中将：1945年2月1日 - 3月1日（兼第12方面軍参謀長）
高嶋辰彦 少将：1945年3月1日 - （兼第12方面軍参謀長）

歴代参謀副長

高嶋辰彦 少将：1945年2月1日 - 3月1日（兼第12方面軍参謀副長）
山崎正男 少将：1945年3月1日 - 8月5日（兼第12方面軍参謀副長）
吉野弘之 少将：1945年6月1日 - 8月6日
小沼治夫 少将：1945年8月5日 - 11月1日（兼第12方面軍参謀副長）
小野打寛 少将：1945年9月10日 -

歴代経理部長

渦川正義 主計中将：1945年1月29日 - （兼第12方面軍経理部長）

組織の変遷

東部軍管区は、発足から終戦までの短い期間で、その組織体制を大きく変化させました。特に、1945年2月の東部軍から第12方面軍への改編は、その組織構造に大きな転換をもたらしました。これにより、東部軍管区は、より広範囲な作戦を遂行するための体制へと移行しました。

関連事項

東部軍管区に関連する組織として、以下のものが挙げられます。

東部軍：東部軍管区の上位組織であり、管区内の軍隊を統括しました。
東部軍管区教育隊：管区内の兵士を教育・訓練するための部隊です。
近衛師団：皇居の警備などを担当する精鋭部隊です。
第1師団：東部軍管区に所属した師団の一つです。
第1総軍：終戦直前に編成された、本土決戦に備えた軍です。
東京湾要塞：東京湾の防衛を担った要塞です。

外部リンク

中野文庫：関東戒厳司令部条例(大正12年勅令第400号) - ウェイバックマシン
中野文庫：東京警備司令部令(大正12年勅令第480号) - ウェイバックマシン

参考資料

秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
外山操・森松俊夫編著『帝国陸軍編制総覧』芙蓉書房出版、1987年。

この文章は、東部軍管区の歴史と組織を理解するための基礎的な情報を提供することを目的としています。より詳細な情報については、参考文献を参照してください。

もう一度検索