東陽片岡

東陽片岡（とうよう かたおか）

1958年6月16日生まれ、東京都板橋区出身の漫画家、イラストレーター。
多摩美術大学美術学部デザイン科卒業後、雑誌デザイナーを経て漫画家となる。
1994年、漫画雑誌「ガロ」に入選し、「長井勝一が選んだ最後の新人」として注目を集めた。
ペンネームの由来は、夢で渡された名刺に書かれていた名前から。

来歴

東陽片岡は、デザイナーとして活動する傍ら、個人で漫画のミニコミを発行していました。その作品は、独特の作風と完成度の高さで評判を呼び、漫画家としての道を歩み始めます。
1994年には、漫画雑誌「ガロ」に投稿した作品が入選。「長井勝一が選んだ最後の新人」として漫画界に衝撃を与えました。現在では、漫画家としての活動に加えて、四谷三丁目のスナック「秋田ぶるうす」のマスターとしても活躍しています。

作風

東陽片岡の作品は、昭和の下町を舞台に、そこに暮らす人々の日々を、独特の視点で描いています。エログロナンセンスでありながらも、どこかリアリティを感じさせるその作風は、他の漫画家とは一線を画しています。
『三丁目の夕日』のようなノスタルジックな「昭和」とは異なり、貧乏臭く、下品な「昭和」の雰囲気を醸し出しているのが特徴です。作品は、スクリーントーンを使わず、すべて手描きで描かれており、アシスタントも使用していません。登場人物が暮らす古アパートの畳の目を細かく描き込むなど、その緻密な作画は「畳職人漫画家」とも称されています。

作品リスト

てくなーとマンガ（新声社） - 1996年
やらかい漫画（青林堂）- 1996年
されどワタシの人生（青林工藝舎）- 1999年
段ボール低国の天使たち（実業之日本社/マンサンコミックス） - 2000年
東陽片岡 哀愁劇場（青林工藝舎） - 2002年
お三十路の町（小学館）
巻の1 - 2002年
巻の2 - 2002年
巻の3 - 2004年
うすバカ二輪伝（青林工藝舎）- 2003年
うすバカ風俗伝（青林工藝舎）- 2006年
やさぐれ煩悩ブルース（メディア・クライス）- 2008年
うすバカ昭和ブルース（青林工藝舎）- 2008年
ステテコ行進曲（青林工藝舎）- 2009年
ほどよい男たちのバラード（秋田書店）- 2009年
レッツゴー!! おスナック（青林工藝舎）- 2010年
熟女ホテトルしびれ旅（青林工藝舎）- 2011年
シアワセのレモンサワー（愛育社） - 2011年
コモエスタうすらバカ（青林工藝舎）- 2012年
ワシらにも愛をくだせえ〜っ!!（青林工藝舎）- 2018年

映画出演

「東陽片岡の甘い生活」 - ドキュメンタリー映画（監督：ダーティ工藤）
「東陽片岡のカク！」(2001年)
「東陽片岡パッケージを描くの巻」(2006年)
「東陽片岡のルサンチマン」 - フィクション映画（監督：ダーティ工藤）- 2007年
美代子阿佐ヶ谷気分 - 2009年
俳優・亀岡拓次 - 2016年

主な登場人物

東陽片岡の作品には、複数の作品にまたがって登場する共通のキャラクターが登場します。これらのキャラクターは、設定が微妙に異なるものの、各作品の世界観を繋ぐ役割を果たしています。

決斗兄弟: キックボクサーの兄弟。運に見放されがち。
ホームレス兄弟: アオカンや日雇い労働で生計を立てる兄弟。
ながし三兄弟: 歓楽街で流しを営む兄弟。長男はグチ聞き、次男はエロ話、三男はギター。
山下さん: 印刷工場勤務。無口で妹思い。ソープ通いが楽しみ。
寝たきり姉妹&お金屋さん: 古アパートで寝てばかりの姉妹と、お金を運んでくる人物。
作者: 東陽片岡自身をモデルとしたと思われる人物。風俗やバイクでの温泉巡りを好む。
グチ聞き屋: ハンチング帽の男
流し新太郎

外部リンク

東陽片岡のふにゃらか日記 - 公式ブログ
東陽片岡 (@toyokataoka) - X（旧Twitter）
東陽片岡 (toyokataoka) - Facebook
東陽片岡ファンページ 鼻ミサイル

東陽片岡は、独特の世界観と、手描きならではの温かみのある作風で、多くのファンを魅了し続けています。昭和の雰囲気を色濃く残すその作品は、漫画ファンだけでなく、多くの人々を惹きつけています。

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