東雲橋 (木曽川)

東雲橋（しののめばし）

概要

岐阜県恵那市を流れる木曽川に架設され、岐阜県道72号恵那蛭川東白川線の一部を構成する重要な橋梁です。大井ダムからは下流方向へおよそ300メートルの位置にあります。現在、利用されているのは2代目の橋梁にあたり、トラス橋、ガーダー橋、そして鉄筋コンクリート桁橋という異なる構造形式が組み合わされた混成構造を採用しています。

歴史

初代の橋

東雲橋の歴史は、明治時代に遡ります。初代の東雲橋は、明治42年（1909年）にその供用を開始しました。この橋は、全長77メートル、幅員わずか2.7メートルの木造吊り橋でした。当時の一般的な橋梁と同様に、開通当初は有料であり、例えば歩行者は1銭を支払って通行していました。地域の交通を支える重要な存在でしたが、時代と共にその役割や形態は変化していきます。

2代目への移行

大正時代に入り、初代の東雲橋の性格が変化します。大正13年（1924年）に岐阜県によって買収されたことで、この橋は無料開放されることになりました。そして、昭和6年（1931年）になり、現在の橋にあたる2代目の東雲橋が架設されました。これにより、より多くの交通量に対応し、安全性を向上させることが目指されました。

現在の橋（2代目）

2代目の東雲橋は、昭和6年（1931年）に完成し、同年4月20日から供用が開始されました。初代と比較すると、橋長は大幅に延伸されましたが、時代の変化に伴う交通量の増加や車両の大型化に対しては、次第に対応が難しくなっていきました。

諸元

供用開始日：昭和6年（1931年）4月20日
橋長：131.5メートル
幅員：3.9メートル
接続地点：岐阜県恵那市大井町と恵那市笠置町毛呂窪を結びます。

構造的な特徴

この橋の構造は、トラス橋、ガーダー橋、鉄筋コンクリート桁橋という複数の形式を組み合わせた混成構造となっている点が特徴です。木曽川の川幅や両岸の地形、地質などを考慮し、それぞれの区間に適した構造が選択された結果と考えられます。

新しい時代へ：東雲大橋

バイパス計画の背景

長年の使用による老朽化に加え、現代の交通状況に対して幅員が狭いことが、2代目東雲橋の抱える課題となっていました。特に大型車両の通行や歩行者の安全確保において、課題が顕在化していました。

新たな橋の誕生

これらの問題を解消し、県道72号の交通を円滑にするため、岐阜県道72号恵那蛭川東白川線のバイパス（東雲バイパス）整備計画が進められることになりました。この計画の一環として、新たな橋梁「新東雲橋」（仮称）の架設が決定しました。

東雲大橋の諸元

計画段階では、この新橋は従前の東雲橋より大幅に規模が拡大されました。

計画橋長：349メートル
計画幅員：10.75メートル（歩道含む）
* 計画構造形式：PC3径間連続ラーメン箱桁橋

建設と完成

平成20年（2008年）6月12日には、新しい橋の建設に向けた起工式が執り行われ、本格的な工事が始まりました。その後工事が進捗し、平成27年（2015年）8月21日には、正式名称が「東雲大橋（しののめおおはし）」と決定され、完成を祝う式典が開催されました。この東雲大橋を含むバイパス区間は、順次完成・供用される予定となっており、地域の交通ネットワークの強化に貢献することが期待されています。

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