松井旭

松井旭の生涯

松井旭（まつい あさひ）は、1927年11月24日に北海道旭川市で生まれ、広島県広島市で育ちました。彼は日本の官僚、そして政治家として活躍し、特に千葉市長としての功績は広く知られています。

千葉市長としての業績

1977年、松井は前市長の急逝に伴い、千葉市長に初当選しました。以後、2001年までの6期24年間、千葉市の発展に大きく貢献しました。彼の主な功績として、以下の点が挙げられます。

都市基盤整備: 千葉都市モノレールや幕張メッセといった、現在の千葉市を支える重要な都市基盤の整備を推進しました。
ロッテ球団誘致: プロ野球球団である千葉ロッテマリーンズを誘致し、市民のスポーツへの関心を高めました。
* 政令指定都市昇格: 千葉市を政令指定都市へと昇格させ、都市としての地位向上に尽力しました。

これらの功績により、松井は千葉市の発展に不可欠な存在となりました。

新東京国際空港問題への対応

松井は、新東京国際空港（現在の成田国際空港）の航空燃料パイプライン敷設工事に関しても重要な役割を果たしました。前市長が中止させていた工事に対し、新東京国際空港公団からの協力要請に応じ、貨物列車による航空燃料暫定輸送を実現しました。その見返りとして、市内2カ所の踏切の立体化や西千葉駅近くの国鉄跡地の払い下げを運輸省から引き出すことに成功しました。

この件について、当時成田空港問題に対処していた自民党の佐藤文生は、政府と千葉市の間で既に交渉が進められていたと指摘していますが、松井の決断と行動が、開港を大きく前進させたことは確かです。

1977年9月14日、松井は運輸大臣の田村元、新東京国際空港公団総裁の大塚茂とジェット燃料暫定輸送の協定に調印しました。この際、田村運輸相は「松井市長のおかげで開港できる」と述べ、開港の目途が立った大塚空港公団総裁は松井と握手を交わし、その功績を称えました。

その他の経歴

松井は、1945年に陸軍予科士官学校を卒業後、終戦により陸軍士官学校が解散した際には、武器庫から刀などを奪い反乱を試みるも失敗し、謹慎処分を受けました。その後、地方公務員として新潟県庁や自治省に勤務し、山口県下関市では財政部長として財政再建を成功させました。また、千葉県衛生部主幹として公害行政を担当した後、千葉市財政部長、第二助役を経て市長に就任しました。

退任後と晩年

2001年に千葉市長を退任後、2002年には勲二等瑞宝章を受章しました。2012年2月21日、肺炎のため84歳で亡くなりました。死没日をもって正四位に叙されています。

松井旭は、その生涯を通して、地方自治の発展に大きく貢献した人物として、その名前は長く記憶されることでしょう。

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