大塚茂

大塚茂の生涯

大塚茂（おおつか しげる）は、1911年1月8日に生まれ、2004年4月13日に亡くなった日本の官僚、実業家です。彼は、郵政事務次官、日本航空常務理事、そして新東京国際空港公団総裁といった要職を歴任しました。

初期のキャリア

大塚茂は、東京帝国大学法学部政治学科を卒業しました。在学中に高等試験行政科に合格し、1936年に逓信省に入省しました。その後、貯金保険局保険業務課長、資材局調整課長、大臣官房文書課長、大臣官房資材部長、名古屋郵政局長、大臣官房人事部長など、数々の重要な役職を歴任しました。1957年10月には簡易保険局長に就任し、その後、貯金局長を経て、1961年6月16日に郵政事務次官に就任しました。

郵政事務次官退任後

1962年5月に郵政事務次官を退任した後、大塚茂は日本航空の常務理事に就任しました。しかし、1966年には「次の埼玉県知事に推す」という声に応え、埼玉県副知事に転身しました。その後、埼玉県知事選への出馬を試みましたが、現職の栗原浩が続投したことや、1972年の選挙における自由民主党の調整により、出馬を断念しました。その後、田倉八郎から逓信協会（現在の通信文化協会）理事長のポストを引き継ぎました。

新東京国際空港公団総裁として

1974年7月30日、大塚茂は新東京国際空港公団総裁に就任しました。事務次官時代の郵政大臣が田中角栄であり、知事選断念時の自民党埼玉県会長も田中派の福永健司であったことから、運輸事務次官経験者を差し置いての総裁就任は、当時の内閣総理大臣であった田中角栄による埋め合わせとしての側面が大きかったとされています。

大塚茂によれば、後輩の西村尚治が田中角栄に働きかけ、国際電信電話の会長職を打診されたが、西村が「もっと実質のある仕事がしたい」と断ったところ、空港公団総裁のポストが再度打診され、受諾したとのことです。なお、前任者の今井栄文は、逓信省での後輩にあたります。

就任当時、航空燃料輸送問題が開港の障害となっていましたが、鉄道による暫定輸送も茨城県側の自治体が反対していました。しかし、大塚茂は茨城県知事の岩上二郎が旧制水戸高等学校の同窓生であったこともあり、茨城県と沿線の3町（神栖町・潮来町・鹿島町）を徐々に軟化させ、反対を撤回させることに成功しました。

その結果、岩山鉄塔撤去に反発する過激派に総裁室を襲撃されることもありましたが、成田空港の開港に立ち会うことができました。しかし、千葉市長の荒木和成との関係が悪化し、本格的なパイプラインの敷設が遅延したことなどから、1980年7月28日に運輸大臣の塩川正十郎に辞表を提出し、8月4日に辞任しました。

退任後

総裁退任後の1993年、大塚茂の自宅が中核派による時限式発火装置で放火され、乗用車が全焼するという事件が発生しました。

大塚茂は、そのキャリアを通じて、日本の行政と経済に多大な貢献を果たしました。彼の多岐にわたる経験と実績は、今日の社会にも大きな影響を与えています。

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