松元秀一郎

松元秀一郎（まつもとしゅういちろう）は、1972年 6月22日に熊本県熊本市で生まれた日本の元プロ野球選手です。現役時代は主に外野手としてプレーし、東京ヤクルトスワローズとオリックス・ブルーウェーブの二球団でプロキャリアを過ごしました。

プロ入りまで

福岡第一高等学校を卒業した後、1990年のシーズン終了時にドラフト会議を経ず、ドラフト外でヤクルトスワローズに入団しました。プロ入り当初は内野手として登録されましたが、当時からその俊足と、巧みなバットコントロールから生まれるシュア（確実性の高い）な打撃センスが高く評価されていました。

ヤクルトスワローズ時代

ヤクルトではまず背番号74番を背負い、プロとしての第一歩を踏み出しました（1991年～1992年）。その後、背番号は60番に変更され（1993年～1998年）、プロ3年目となる1993年シーズンに念願の一軍初出場を果たします。この年の4月10日、明治神宮野球場で行われた対広島東洋カープ戦の開幕戦で、偵察メンバーとして名を連ねていた山本樹投手に代わりライトの守備に就き、これが自身にとって最初の一軍出場となりました。さらに同じ試合の3回裏には、相手投手の北別府学氏からプロ初打席で初安打を放つという、記憶に残るデビューを飾っています。翌4月11日には、同じく広島戦で8番・三塁手としてプロ初の先発出場を果たしました。4月15日の対阪神タイガース戦（阪神甲子園球場）では、7回表に葛西稔投手からプロ初打点となる適時三塁打を記録。そして5月3日の対中日ドラゴンズ戦（明治神宮野球場）では、5回裏に伊東昭光投手の代打として登場し、当時の守護神であった郭源治投手からライトスタンドへプロ初本塁打となるソロホームランを放つなど、重要な記録を次々と達成しました。この1993年シーズンは最終的に39試合に出場し、プロの舞台で確かに自身の存在感を示しました。しかし、当時のヤクルトは野手の戦力が非常に充実しており、続く1994年シーズン以降はなかなか一軍での出場機会を確保し、定着することが難しい状況が続きました。

オリックス・ブルーウェーブ時代

ヤクルトで7シーズンを過ごした後、1998年のシーズン終了後、高橋智選手との交換トレードという形でパシフィック・リーグのオリックス・ブルーウェーブへの移籍が決まりました。オリックスでは背番号0番を与えられ（1999年～2001年）、新たな環境での再起を期しました。移籍初年度となった1999年シーズンは、チームの顔であったイチロー選手が怪我で一時戦線を離れたこともあり、シーズン途中から松元選手に巡ってきた出場機会をしっかりと掴みました。持ち味であるシュアな打撃と堅実な外野守備が高く評価され、レギュラークラスとして外野のポジションに定着することに成功。この年は自己最多となる90試合に出場し、チームにとって欠かせない選手として貢献しました。しかし、続く2000年シーズン以降は、チーム内の若手選手の台頭や競争の激化などもあり、再び出場機会は減少傾向となりました。

現役引退

オリックスで3シーズンをプレーした後、2001年のシーズン終了をもって球団から戦力外通告を受けました。これを受け、他球団での現役続行を模索することなく、この年限りでプロ野球選手としてのキャリアに幕を閉じることを決断しました。

プレースタイル

現役時代の松元秀一郎選手は、その俊足を生かした広い守備範囲と、確実性の高いシュアな打撃、そして安定した堅実な外野守備を武器とする選手として知られていました。特にオリックス移籍後の1999年には、これらの能力が遺憾なく発揮され、チームにおいて重要な役割を担いました。

主な記録

初出場：1993年4月10日、対広島東洋カープ1回戦（明治神宮野球場）、山本樹選手の代走・守備固めとして右翼手で出場
初打席・初安打：同上、3回裏に北別府学投手から
初先発出場：1993年4月11日、対広島東洋カープ2回戦（明治神宮野球場）、8番・三塁手として先発出場
初打点：1993年4月15日、対阪神タイガース3回戦（阪神甲子園球場）、7回表に葛西稔投手から適時三塁打
初本塁打：1993年5月3日、対中日ドラゴンズ4回戦（明治神宮野球場）、5回裏に伊東昭光投手の代打として出場、郭源治投手から右越ソロ

背番号

74 （1991年 - 1992年、ヤクルト）
60 （1993年 - 1998年、ヤクルト）
0 （1999年 - 2001年、オリックス）