松原千振

松原千振（まつばら ちふる）

プロフィール

松原千振は、1951年生まれの日本の合唱指揮者です。長野県出身で、現在は兵庫県宝塚市に在住しています。東京混声合唱団の正指揮者、神戸市混声合唱団の音楽監督を務めています。

合唱との出会いと音楽の研鑽

小学生時代から地元の合唱団で合唱を経験し、音楽の道へ進みました。国立音楽大学を卒業後、フィンランドのヘルシンキに渡り、シベリウス音楽院のマスタークラスを修了。エリック・エリクソン、ダン＝ウーロフ・ステーンルンドという著名な指揮者に師事し、合唱指揮者としての基礎を築きました。

フィンランドでの活動

1978年よりフィンランドを中心に活動を開始し、ヘルシンキ大学男声合唱団（第二指揮者）、フィンランド放送室内合唱団、タピオラ合唱団などで指揮者として活躍しました。特にフィンランド放送室内合唱団では、1985年から指揮者としてルネサンス時代の作品の演奏に力を注ぎました。また、1987年にはフィンランド放送協会からの委嘱を受け、フィンランドで発見された中世の単旋律聖歌の解読、復元、そして蘇演という重要なプロジェクトを担当し、その音楽的才能を発揮しました。

バルト三国での活動

1988年からは、バルト三国のプロ合唱団であるエストニア・フィルハーモニー合唱団、ラトビア放送合唱団、エストニア国立男声合唱団などの客演指揮者を務め、国際的な活躍の場を広げました。

日本での活動

1995年、東京混声合唱団第150回定期演奏会に指揮者として出演したことがきっかけとなり、1997年に同合唱団の常任指揮者に就任。同年には同合唱団初のヨーロッパ公演で指揮を担当しました。2013年4月には同合唱団の正指揮者に就任し、現在に至るまで合唱音楽の発展に貢献しています。また、1995年には神戸中央合唱団の常任指揮者に就任し、2015年に後任の本山秀毅氏に譲るまで務めました。2017年10月には神戸市混声合唱団の音楽監督に就任し、現在も精力的な活動を続けています。

受賞歴

2003年には、月刊神戸っ子 第32回ブルーメール賞＜音楽部門＞、神戸市文化奨励賞を受賞しています。

著作

音楽に関する著作活動も行っており、「ジャン・シベリウス 交響曲でたどる生涯 」（アルテスパブリッシング、2013年）を出版しています。この書籍では、シベリウスの交響曲を通してその生涯を深く掘り下げており、音楽ファンにとって貴重な一冊となっています。


松原千振は、国際的な視野と深い音楽的知識を持ち、合唱音楽の分野で多岐にわたる活動を展開している、現代を代表する合唱指揮者の一人と言えるでしょう。

もう一度検索