松孝院

松孝院について

松孝院（しょうこういん、1614年 - 1690年）は、駿府藩主である徳川忠長の正室で、本名は織田昌子です。彼女は幼少期には「久姫」と呼ばれており、複雑な運命を持つ女性でした。松孝院の父は織田信良であり、兄弟として織田信昌、稲葉信通の室光浄院、稲葉信通継の室天量院が存在します。

経歴

松孝院は元和9年（1623年）、わずか10歳で忠長に嫁ぎました。この結婚は、忠長の父である徳川秀忠の強い希望によって実現したと言われています。しかし、寛政10年（1633年）には夫の忠長が不行跡を理由に兄である家光により甲府へ謹慎させられ、その後改易され自害に至りました。

忠長の死後、松孝院は竹橋御殿で忠長の乳母である朝倉清（昌清尼）と共に生活を始めます。竹橋御殿は、忠長の姉である天樹院の屋敷であり、ここで彼女は落飾して「北の丸殿」と名乗ることになります。晩年は文京区の高林寺にて過ごし、元禄3年の9月19日に亡くなりました。彼女の法名は「松孝院殿妙行日久大姉」であり、墓所は現在、東京都文京区の高林寺にあります。

生没年と法名について

松孝院に関する記録には、『幕府祚胤伝』に「光松院」と記載されていることと、彼女の死去日が元禄4年9月19日とされる誤りがあります。実際の墓碑銘には「松孝院殿妙行日久大姉 元禄3年9月19日没」との記録があり、さらに生年に関しても、彼女が78歳で亡くなったことから慶長19年（1614年）に生まれたことが確認されています。

松孝院の法名の「日久」は、彼女の幼名に由来するとも言われています。また、昌清尼の墓所がある昌清寺には、松孝院が自らの名前の一部分をアレンジして昌清尼と名付けたとの伝承も存在します。

結論

松孝院は日本の歴史における重要な人物の一人であり、彼女の人生は単なる一公家の物語を超え、江戸時代の女性としての地位と役割を象徴するものです。彼女の経歴や法名についての詳細を知ることで、当時の文化や社会を深く理解する手助けとなるでしょう。

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