織田信昌

織田信昌は、江戸時代前期に上野国小幡藩の第2代藩主を務めた人物です。初代藩主である織田信良の次男として生まれ、母は久我通興の孫娘にあたります。幼名は百介と名付けられました。

寛永3年(1626年)7月、父である信良が亡くなったことで、信昌はわずか2歳で家督を継承しました。しかし、幼少であったため、祖父の織田信雄は、加賀藩前田氏の家臣であった五男(信昌の叔父)の織田高長を呼び戻し、高長が後見人として政務を執り行いました。寛永6年(1629年)には、小幡村に陣屋の建設を開始し、後に福島村から小幡村へと陣屋を移転しました。

寛永7年(1630年)、祖父の信雄が死去すると、信雄が隠居料として所持していた大和国宇陀松山3万1200石を、高長が相続しました。この相続に対し、信昌の家臣団からは宇陀領も信昌家のものとする異論が出ましたが、幕府は高長の相続を認め、小幡織田家には2万石余りが残されました。

寛永8年(1631年)2月15日、信昌は3代将軍・徳川家光に謁見しました。この際、家臣3人も同伴しており、これは信昌の家格の高さを示す優遇措置でした。寛永16年(1639年)12月大晦日には、従五位下因幡守に叙任し、後に従四位下へと昇進しています。

寛永20年(1643年)7月7日には、幕府から館林城の守備を命じられ、正保2年(1645年)6月10日には、初めて領地への赴任が許可されました。信昌は、陣屋を小幡村に移築し、領内の検地を実施するなど、藩政の基礎を固めることに尽力しました。また、正保4年(1647年)5月22日には、幕府から下館城の守備も命じられています。

慶安3年7月9日(1650年8月6日)、信昌は26歳の若さで亡くなり、その跡は養子の織田信久が継ぎました。

信昌の系譜は以下の通りです。

父母
父:織田信良
母:下津俸庵の娘
正室
小笠原政信の長女
子女
長女:織田長迢正室
養子
* 織田信久(織田高長の四男)

信昌は、幼少期に藩主となったものの、叔父の補佐を受けながら、藩政の確立に貢献した人物として知られています。また、幕府からの信頼も厚く、重要な役職を任されるなど、その家格の高さを示す出来事も多く見られました。

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